カタン糸(読み)カタンいと(英語表記)cotton thread for machine sewing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カタン糸
カタンいと
cotton thread for machine sewing

縫糸の一つ。針穴との摩擦によく耐えるようパラフィンを溶かした糊を用いて磨き処理を施し,糸の表面を平滑にしてある。ミシン糸,穴糸,縫糸に使われる。 50番,60番の需要が特に多く,50番以上の糸にはエジプト綿を主原料としたコーマ糸を使用。カタンは英語のコットン cottonのなまり。

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百科事典マイペディアの解説

カタン糸【カタンいと】

撚(よ)りをかけ,ガス焼,漂白,染色し,のりを通してみがいた木綿糸。カタンは英語cottonのなまり。強くて光沢があり,ミシン糸,穴糸,縫糸に使われる。太さ(番手)は6,8,10,20〜120番まであり,番号が若いほど太い。一般には20〜80番がよく使われる。

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世界大百科事典 第2版の解説

カタンいと【カタン糸】

ミシン糸に使われる強い綿糸。カタンはコットンのなまり。1812年にスコットランドで初めて作られ,日本へは大正時代中期にミシンとともに輸入され,1935年ころから国産された。強伸度を増すため,紡績工程でコーマ掛け(くしけずり)した綿糸を2本(よ)り合わせ,この加撚した糸をさらに3本撚り合わせてある。たとえば実質番手約20番のカタン糸(60番カタン糸)の構成は120’S(120番手の単糸を表す)の綿糸を2本撚り合わせ(120’S/2≒60番),さらにこの糸を3本撚り合わせ(120’S/2/3=60’S/3≒20番)て作られている。

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大辞林 第三版の解説

カタンいと【カタン糸】

〔カタンは cotton から〕
ミシン縫い用の木綿糸。撚りをかけた糸にガス焼き・漂白・糊付け・つや出しなどの加工をしたもの。糸の太さにより番号が付けられている。
手縫い用、手編み用の木綿糸。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カタン糸
かたんいと
cotton sewing thread

カタンはコットンcottonのなまった語といわれるが、綿糸の手縫い糸、手編み糸にも用いられ、現在では広く絹、合繊を材料とした縫い糸をも包括し、主としてミシン用縫い糸をいう。各種の撚(よ)り糸があり、単糸を2本または3本あわせた二子糸、三子糸のほか、コード糸とよばれる二子糸の3本撚り、三子糸の3本撚りがある。いずれもエジプト綿か上質の米綿のコーマ糸を用い、次のような仕上げ加工により種類が異なる。(1)せっけん、白蝋(はくろう)などの油脂を加えたデンプン糊(のり)を施した糸を、ロール機、ブラシ機などで十分に張力を加えて摩擦し、磨きを行って艶(つや)をつけたグレース。(2)艶をつけずに、柔軟な糊仕上げをしたソフト。(3)糸に強い張力をかけながら、カ性ソーダ溶液中を通過させたマーセライズ(加工前にガス焼を行うこともある)。
 綿カタン糸の番手は一般の綿糸の番手と異なり、JIS(ジス)(日本工業規格)では次のように定められている(N=カタン糸番手、a=合糸数、b=原糸番手)。

 6番、8番、10番、その後は10番刻みで120番まで使われる。家庭用、工業用など用途に応じ、スプロールに平行に巻いた駒(こま)巻きと、紙筒に綾(あや)がけに巻いた綾巻きがあり、糸長も多様である。各種色糸がある。[岡田浩海]

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精選版 日本国語大辞典の解説

カタン‐いと【カタン糸】

〘名〙 (カタンはcotton) 木綿単糸を数本縒(よ)り合わせたもの。
① レース編みなどに用いられる、太手の木綿糸。〔毛糸編物独案内(1888)〕
② ミシン用の縫い糸として用いる細手の木綿糸。縒りが強く、表面がなめらか。
※児童工業物語(1928)〈原田三夫〉一九「元来この糸はミシン用のもので、英語でミシン・コトンといったのですが、これがカタン糸と呼ばれるやうになったのです」

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