デジタル大辞泉
「カッター」の意味・読み・例文・類語
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カッター
- 〘 名詞 〙 ( [英語] cutter )
- ① 切ったり削ったりする道具。紙などを切る裁断器、切り削りのための工具の刃など。
- [初出の実例]「高速度鋼のカッターは」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉三九)
- ② 船の一種。
- (イ) 軍艦、汽船などに積み込まれる、オールを備えた大型のボート。帆を張ることもできる。端艇(たんてい)。
- [初出の実例]「第三カッター乗組員の生死は勿論、カッター其物の漂着処すら未だ知らざりしなり」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893)五月二八日)
- (ロ) ヨットの一種。
- ③ 録音用の円盤やレコード製作工程で、円盤やレコード原盤に音溝をきざむ機械。
- [初出の実例]「ご苦労さん、カッター(録音盤を刻む針)を上げて下さい」(出典:マイク余談(1947)〈藤倉修一〉街頭録音II )
- ④ 映画で、撮影したフィルムを編集する人。〔アルス新語辞典(1930)〕
- ⑤ 「カッターシャツ」の略。
- [初出の実例]「主人は今でも私が胸の明いた服を着ると厭がります。カッターでも、第一ボタンと第二ボタンの間にスナップを附けさせます」(出典:道(1962)〈庄野潤三〉三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
カッター
1837-1903.米国ボストン生まれ.19世紀後半の米国図書館界の指導的人物の一人であり,近代的な目録規則や分類表の考案者として知られる.ハーバードカレッジなどを卒業の後,同カレッジ図書館を経て,ボストンアシーニアム(Boston Athenaeum)の館長を長く務めた後,新設のフォーブズ図書館の館長として生涯を終えた.図書館運営への貢献のほかにも,草創期のアメリカ図書館協会での活動やLibrary Journal(1876- 創刊時はAmerican Library Journal)編集長としての活動などを通じて図書館界に貢献した.特に,図書館資料の組織化のためのツールの整備に力を注ぎ,『辞書体目録規則』(Rules for a Dictionary Catalogue初版1876 第4版1904),展開分類法,著者記号表などを考案して,その後の資料組織法に決定的な影響を与えた.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
カッター(小舟艇)
かったー
cutter
船舶と陸上との交通や小荷物などの運搬に使用するもので、短艇(たんてい)(端艇)とよばれる小舟艇の一種。艇首はとがっているが、艇尾が切りそいだ形になっているので、この名がある。オール(櫂(かい))を使って人力で推進する。オールは8~14本で、複座である。マストを立て、帆を張って帆走することもできる。艇長7~9メートル、艇重0.5~1トン。木製が多いが、FRP(繊維強化プラスチック)のものも開発されている。主帆のほかに前部に2~3枚の三角帆をもつスループ型ヨットもカッターとよぶ。
[岩井 聰]
カッター(ナイフ)
かったー
cutter
刃先を用いて紙などを切断したり、任意の形に切り取る場合に用いる替え刃方式の繰り出し式ナイフ。1本の替え刃を何度か折って使用することができる。一般用の小刃、大型刃、アート刃のほか、プラスチック切断用、工作用、曲線カッティング用、さび汚れ落とし用、梱包(こんぽう)用など多種のものがある。なお、切断用の刃を押し下げて用紙を切る断裁機も、カッターとよんでいる。
[野沢松男]
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カッター
cutter
(1)軍艦に積む大型の手漕ぎボートで帆走もできる。上陸,連絡,係留作業などに使い,救命艇も兼ねる。また学校,海洋少年団などのボート訓練にも広く使われている。(2)18~19世紀の1本マスト,縦帆装備の軽快な帆走軍艦。現在では,その任務を継承する沿岸警備,巡察用船艇をいう。(3)(2)に端を発する帆装形式の一種。1本マストの前に2枚以上の三角帆,後ろに三角形または四辺形の縦帆を有するものをいう。
執筆者:野本 謙作
カッター
cutter
一般には刃物や刃のことであるが,切削加工に用いられるフライスやホブなどの回転式の切削工具を指す場合が多い。
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
カッター(船)【カッター】
(1)大型の手漕ぎボートで帆走もできる。艦船に積載して交通その他の用に供する。学校や海洋少年団などのボート訓練にも広く使われる。カッター訓練とも。(2)18世紀―19世紀の1本マストの小型帆走軍艦。現在その任務を継承する沿岸警備艇,巡察用船艇をもカッターという。(3)(2)に端を発する,1本マストの帆装の一形式のこと。
→関連項目クルーザー|ボート
カッター(機械)【カッター】
広義には刃物や刃のことだが,切削加工用の工具のうち,フライスやホブなどの回転式のものをさす。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
カッター Cutter, John Clarence
?-1910? アメリカの医師。
マサチューセッツ州の病院勤務ののち,明治11年(1878)札幌農学校教師として来日,生理学などをおしえる。また札幌病院医術顧問などをつとめ,20年帰国した。ハーバード大卒。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
カッター
cutter
(1) 軍艦,汽船などに積んで,人員,物品の運搬作業などに用いる短艇。一般に木製でオールを漕いで走らせるが,マストや帆を備えたものもある。船尾が切りそいだような形になっていることから,この名がある。 (2) 長い船首をもち,斜檣をもつ単檣帆走艇。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
カッター
物体を切断する道具であるが,特にソーセージ製造のために肉を切断するものをいう場合がある.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内のカッターの言及
【カッター】より
…(1)軍艦に積む大型の手漕ぎボートで帆走もできる。上陸,連絡,係留作業などに使い,救命艇も兼ねる。また学校,海洋少年団などのボート訓練にも広く使われている。(2)18~19世紀の1本マスト,縦帆装備の軽快な帆走軍艦。現在では,その任務を継承する沿岸警備,巡察用船艇をいう。(3)(2)に端を発する帆装形式の一種。1本マストの前に2枚以上の三角帆,後ろに三角形または四辺形の縦帆を有するものをいう。【野本 謙作】…
【帆船】より
…伝統的な分類法では舵軸より前にミズンマストがあればケッチ,後ろだったらヨールということになっている。(10)カッターcutter 帆装様式の名称としてのカッターは1本マストの縦帆船で,2枚以上のジブの類をマストの前に展ずるものをいう。現在のヨットに広く使用されている形の一つで,ふつうはバミューダメーンスルと,マストの前にステースル(インナージブ),その前にジブと合計2枚の船首三角帆(ヘッドスル)をもつ。…
【沿岸警備隊】より
…士官,隊員の勤務や服装はアメリカ海軍のものと同じで,独自に士官養成などの学校を設置している。海上パトロールに任ずる艦艇はカッターと呼ばれ,小型のものが多いが,領海,経済水域の拡大に伴い,逐次大型化が図られ,砕氷艦も装備している。平時は運輸省に属しているが,戦時または非常事態には,命令により海軍の指揮下に入って行動することとなっており,ベトナム戦争では南ベトナム沿岸で海軍の一部として作戦に従事した。…
【帆船】より
…伝統的な分類法では舵軸より前にミズンマストがあればケッチ,後ろだったらヨールということになっている。(10)カッターcutter 帆装様式の名称としてのカッターは1本マストの縦帆船で,2枚以上のジブの類をマストの前に展ずるものをいう。現在のヨットに広く使用されている形の一つで,ふつうはバミューダメーンスルと,マストの前にステースル(インナージブ),その前にジブと合計2枚の船首三角帆(ヘッドスル)をもつ。…
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