カムラン湾(読み)カムランわん(英語表記)Vinh Cam Ranh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カムラン湾
カムランわん
Vinh Cam Ranh

ベトナム中南部,カインホア省にある湾。ホーチミン市の東北東約 300kmの南シナ海沿岸に位置する。湾口は南北から突出した小半島にはさまれて幅約 2kmと狭いが,湾内は奥行約 15km,幅は約 30kmと広がり,常時多数の船舶停泊が可能。水深は 10~30m。サンフランシスコリオデジャネイロと並ぶ世界でも指折りの天然の良港であるが,背後にアンナン山脈系の山地が迫るため開発が遅れ,従来港の機能は十分に活用されていなかった。しかし 1960年代ベトナム戦争の激化に伴って,アメリカ合衆国軍の大基地が設置されてから急速に開発され,湾岸のカムラン市の都市化も進んだ。 05年日露戦争の際,ロシアのバルチック艦隊寄港,第2次世界大戦中は日本海軍が使用した。

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百科事典マイペディアの解説

カムラン湾【カムランわん】

ベトナムの南部,南シナ海に面する景勝の良港湾。水深12m以上。旧フランス東洋艦隊の基地で,日露戦争当時(1905年)バルチック艦隊が寄港したことで有名。第2次大戦中は日本軍の,ベトナム戦争中は米軍の補給基地となった。1979年以降はソ連軍が駐留したが,1990年までに撤退した。

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世界大百科事典 第2版の解説

カムランわん【カムラン湾 Vinh Cam Ranh】

ベトナム南東部の湾。ダラト高原が海に陥没して生じた地形で,背後に高い山地を負い,北側の高さ463mに及ぶ細長いカムラン半島と南側のビン・ハイ半島とにはさまれて形成される。湾の入口は1.2kmと狭いが内部は広く,水深も12m以上で,季節のいかんを問わず大小の船が入り得る。ベトナム海岸では最良の港湾の一つである。日露戦争に際し,1905年4月東航するバルチック艦隊の停泊地となったことで知られる。ベトナム戦争ではアメリカ海軍基地の一つとされた。

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大辞林 第三版の解説

カムランわん【カムラン湾】

〔Camranh〕 ベトナム南東部、南シナ海に面する湾。フランス領時代は海軍基地がおかれ、日露戦争中の1905年ロシアのバルチック艦隊が寄港したことで知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カムラン湾
かむらんわん
Vinh Camranh

ベトナム南東部、南シナ海に面する湾。アンナン山脈の南部が海に陥没して生じた地形で、ベトナム沿岸では最良の港の一つとなっている。湾の入口の幅は1.2キロメートルほどで狭いが、内部は広く水深があり、四季を通じて大小の船が安全に投錨(とうびょう)できる。日露戦争時の1905年、東航するロシアのバルチック艦隊が寄港したことで知られ、ベトナム戦争ではアメリカ海軍の基地となった。主要港はバゴイ。[別技篤彦]

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