カラカス(その他表記)Caracas

翻訳|Caracas

デジタル大辞泉 「カラカス」の意味・読み・例文・類語

カラカス(Caracas)

ベネズエラ‐ボリバル共和国の首都。同国中北部に位置し、外港ラグアイラをもつ。第二次大戦後、石油景気で発展。人口、行政区210万、都市圏291万(2009)。

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精選版 日本国語大辞典 「カラカス」の意味・読み・例文・類語

からか・す

  1. 〘 接尾語 〙 ( 五(四)段型活用 ) 動詞の連用形に付いて、その動作をやりぬく、したい放題にやっているの意を表わす。近世以降の俗語。
    1. [初出の実例]「辛抱強う・すねからかして揉て居」(出典:雑俳・太箸集(1835‐39)二)
    2. 「俺が無闇と金を遣ひからかすやうなことを言ふ」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部)

カラカス

  1. ( Caracas ) 南アメリカベネズエラの首都。標高約一〇〇〇メートルの高原にある商工業都市。一五六七年スペインが建設。南アメリカ北部植民地の中心であった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラカス」の意味・わかりやすい解説

カラカス
Caracas

ベネズエラの首都。南アメリカ北部,アンデス山脈北東の延長にあたる山脈カリブ海に迫る部分にあり,市街は周囲を高い山地に囲まれた東西に細長い谷を占める。標高 900~1000mの高地に位置するため,低緯度にあるわりに気候は温和で,年平均気温約 20℃。年降水量は約 600mmで,おもに5~11月に降る。 1567年スペイン人が町を建設,この谷に住んでいたインディオのカラカス族にちなんで命名。 1577年この地方の行政中心地とされ,のちベネズエラ総監府の所在地となった。広場を中心に四角形に設計されたスペイン風の市街は周辺に向かってしだいに拡大していったが,1755年,1812年の大地震により大破。また,市に生まれたシモン・ボリバルにより 19世紀初めに展開された独立戦争のときにもしばしば大きな被害を受けた。ベネズエラが大コロンビアから離脱して 1830年共和国として独立するとともに,その首都となった。 1870年 A.グスマン・ブランコ大統領のもとにカラカス都市改革計画が開始されたが,20世紀初め大統領となった J.V.ゴメスは 30年近くにわたる在任期間中,西のマラカイの発展に力を注いだため,カラカスの発展は一時停滞した。ゴメスの死後近代都市としての発展が始まり,人口の増加,市域の拡大,市街の近代化などがきわめて急速に進行,カラカス大都市圏は南のミランダ州に及ぶようになった。それに伴って工業が発達し,製材,製糖,建設,食品加工,たばこ,衣料など,同国の工業の大部分が集中する工業都市となっている。またベネズエラの教育,文化の中心地でもあり,市内にはベネズエラ中央大学 (1721) をはじめとする高等教育機関,図書館,博物館,劇場などがある。 1940年から 1960年にかけて,建築家 C.ビリャヌエバらによって建設された大学都市は,近代都市計画の傑作といえ,2000年世界遺産の文化遺産に登録された。ベネズエラの交通中心地として,鉄道,道路により国内各地と結ばれ,北約 10kmにはカリブ海に臨む外港ラグアイラ,その西の沿岸マイケティアには国際空港がある。連邦区と呼ばれる特別行政区 (面積 433km2,人口 209万7400〈2009〉) の首都でもある。首都圏人口 298万5000(2007)。

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改訂新版 世界大百科事典 「カラカス」の意味・わかりやすい解説

カラカス
Caracas

ベネズエラ共和国の首都。人口184万,大都市域人口318万(2001)。1567年,中央高原のカラカス河谷,標高960mの地に建設された。都市の名称は征服当時この河谷に居住していた原住民カラカス族に由来する。カラカス河谷はきわめて狭小な盆地であるが,植民地時代,生活環境あるいは軍事防衛上の理由からあえてこの地を都とし,つねに政治・文化の中心地であった。特にその末期はイギリスに制海権を掌握され,頻発する同国の海賊行為に対処するため軍事的機能をも併せ持った。植民地時代後半はカカオ,砂糖の好景気で都市も大いに発展した。独立に際しては権益の擁護と維持のため,カラカスの商人階級は素早く対応し,ボリーバルを支持した。1830年グラン・コロンビアから分離独立したベネズエラは,新生国家の首都をカラカスに制定した。以来今日まで常に国家の中枢部として諸機能を果たしてきた。カラカスが近代的都市へと変貌をとげたのは,グスマン・ブランコ大統領(在任1870-88)が都市の拡張,新産業の建設を行ってからである。その後1910年に始まった石油開発の結果,30年代より全国的に経済社会構造に大きな変化が生じて,人口移動が激しくなり,農村部より都市への流出が増加し,カラカスも大量に彼らを受け入れた。39年政府は都市の再開発計画を実施し,河岸部より山地部へ向かって都市は拡張された。特に第2次大戦後は,南米で最高の首都人口増加率を示し,現在ではかなり高地部まで市街地化した。大学都市やセントロ・シモン・ボリーバルをはじめとする近代建築が見られるが,カラカスの全人口の3分の1は,〈ランチョ〉に住むスラム人口といわれている。都市面積がきわめて限定されているため,地価が高騰しており,今後は耐震性を考慮した空間利用が問題となるだろう。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラカス」の意味・わかりやすい解説

カラカス
からかす
Caracas

南アメリカ北部、カリブ海沿岸にあるベネズエラの首都。アンデス山脈北端の支脈の一つ中央高地に取り囲まれた盆地(標高960メートル)に位置する。人口197万5787(2000)。カラカスという名称は先住民族であるカラカス人からきている。年間を通じて常春の気候に恵まれ、世界でもっともよい気候の都市の一つといわれる。

 1567年にスペインのドン・ディエゴ・デ・ロサダにより建設され、18世紀には南アメリカ北部のスペイン植民地の中心となった。1830年のベネズエラの独立以来首都であり、とくに1950年代に、ベネズエラの石油ブームを背景にして首都建設計画が実施され、人口が急増して町の様相が一変した。南アメリカの独立運動の指導者シモン・ボリーバルの出身地であり、ボリーバルや独立戦争に関する記念物が多い。

 東西15キロメートルにわたる市街地の建物は、植民地様式と近代様式が混合している。西部地区はスペイン風の植民地様式の建物が多数保存されている。東部地区は近代的な高層建築のビジネス街やアパート群からなり、高速道路が通じ、政治、行政、経済の諸施設が集中している。市街地にはヤシやマンゴーや花の多い木の並木がよく整備されており、花のあふれる公園も多い。市街地の周辺地区にはランチョとよばれる巨大なスラム街が形成されており、中心部とは著しい対照をなしている。市の西部には工業地区があり、製糖、食品加工、醸造、皮革、製紙、たばこ、ガラス製品、薬品などの工業が発達している。外港のラグアイラとは高速道路で結ばれ、北西19.2キロメートルにマイケティア国際空港がある。

[山本正三]

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百科事典マイペディア 「カラカス」の意味・わかりやすい解説

カラカス

ベネズエラの首都。カリブ海岸に近い標高約1000mの高原上に位置し,気候は快適。同国の政治,経済,文化の中心。1567年スペインの植民地として創設。1910年からの石油開発にともなって人口が急増,第2次大戦後は南米で最高の首都人口増加率を示した。高層ビルが林立するようになった一方,スラムも丘陵斜面に出現している。外港ラ・グアイラをもつ。ボリーバルの誕生地で,彼や独立戦争関係の記念物が多い。また,1940年代〜1960年にC.R.ビリャヌエバらによって建設された大学都市は,2000年に世界文化遺産に登録された。194万2652人(2011)。
→関連項目ベネズエラ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カラカス」の解説

カラカス
Caracas

ベネズエラ共和国の首都。1567年ディエゴ・デ・ロサーダが建設。1824年独立した大コロンビアのベネズエラ県首都,30年分離とともにベネズエラの首都となった。1910年以来の石油景気のため,近代的なビルが林立する近代的都会だが,農村部からの流入人口が貧民街をつくり周囲を取り囲んでいる。ラ・グアイラが外港。

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世界大百科事典(旧版)内のカラカスの言及

【ビリャヌエバ】より

…伝統的な建築と新しい建築デザインを融合して指導的立場に立ち,モダニズムの理論に南アメリカの気候風土によく適合した機能主義的要素をとり入れた。カラカスの大学都市建設(1944‐)やシレンシオ地区の低コスト住宅群の開発(1941),エル・パライソ地区などの改造計画の成果は,50年代にカラカスを現代都市に一変させた。【加藤 薫】。…

※「カラカス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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