カラハナソウ(読み)からはなそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラハナソウ」の意味・わかりやすい解説

カラハナソウ
からはなそう / 唐花草
[学] Humulus lupulus L. var. cordifolius Maxim.

クワ科(APG分類:アサ科)の多年草。茎はつる性で長く伸び葉柄とともに小さい逆向きの刺(とげ)がある。葉は卵円形で、3中裂するものもあり、長さ、幅ともに5~12センチメートル。先端は鋭くとがり、縁(へり)にやや不ぞろいの鋸歯(きょし)があり、両面に粗い毛があってざらつく。雌雄異株。花期は8~9月。雄花序は長さ10~15センチメートルの円錐(えんすい)花序、雌花序は球果状で短い柄で下垂し淡緑黄色。包葉は花期後に増大し乾いた膜質で、黄褐色を帯びた腺点(せんてん)がある。痩果(そうか)はレンズ状で径2.5~3ミリメートル、細かな凹点と黄色の腺点がある。山地に生え、中部地方以北の本州、北海道および中国北部に分布する。若芽食用とする。果穂が唐花模様に似ているのでこの名がある。カナムグラ近縁種である。母種のホップhopはヨーロッパ原産で、黄色の腺点が著しく多く、ビールの苦味料として栽培される。

[小林純子 2019年12月13日]

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改訂新版 世界大百科事典 「カラハナソウ」の意味・わかりやすい解説

カラハナソウ (唐花草)

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世界大百科事典(旧版)内のカラハナソウの言及

【カナムグラ(葎草)】より

…また薬用にもされ,解熱,利尿に効があるという。近縁のカラハナソウH.lupulus L.var.cordifolius (Miq.) Maxim.は葉が全縁または3中裂である点で区別され,ビールの苦みをとるホップの変種である。中部地方以北の山地に野生する。…

【ホップ】より

…雌花をビール醸造に利用するために栽培するクワ科の多年草(イラスト)。原産地は西アジアとされるが,野生種は北半球のやや冷涼な温帯に広く分布し,日本ではカラハナソウvar.cordifolius Maxim.が中部地方以北の山地に自生している。茎はつる性で,春に地下茎から伸び出し,夏には6~8mになる。…

※「カラハナソウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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