日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナムグラ」の意味・わかりやすい解説
カナムグラ
かなむぐら / 鉄葎
[学] Humulus scandens (Lour.) Merr.
Humulus japonicus Sieb. et Zucc.
アサ科(APG分類:アサ科)の一年生つる草。茎や葉柄には小さな逆向きの刺(とげ)がある。葉は対生で長い柄があり、掌状で深く5~7裂し、長さ、幅ともに5~12センチメートル、基部は心臓形で縁(へり)に整った鋸歯(きょし)がある。両面に粗い毛があってざらつき、裏面に黄色の腺点(せんてん)がある。雌雄異株で花期は9~10月。雄花序は腋生(えきせい)し、大形でまばらな円錐(えんすい)花序をなし、多数の黄緑色の雄花をつける。雄しべ5本、花被(かひ)5枚、葯(やく)は淡黄色で長い花糸で下垂する。雌花序は球果状の広卵形で柄があり、包葉は緑色で花期後に増大し、果期に紫褐色を帯びる。痩果(そうか)は卵円形で長さ4~5ミリメートル、黄褐色で斑紋(はんもん)があり、かすかな毛がある。野原や荒れ地に生える雑草で、日本全土に生え、中国にも分布。中国名は葎草。
[小林純子 2019年12月13日]