カナダ,アルバータ州南西部の都市。大都市域人口106万0297(2005)。ロッキー山脈の東麓に位置し,標高1049mでカナダの都市の中ではもっとも高い。1875年北西部騎馬警察の駐屯地が設けられ,83年にはカナダ・パシフィック鉄道がここを通過し発展の基礎が与えられた。農牧業に従事する移民が東部から陸続と入り込み,〈カウ・タウン(牛の町)〉の異名があったが,1914年に天然ガス,37年に石油が市の南西約40kmのターナー渓谷で発見され,一躍鉱工業都市となった。石油関連産業に従事する会社は400以上を数え,主要石油会社の本社が多い。ほかに食品加工,木工品製造,金属加工業が盛ん。カルガリー大学がある。カルガリー・スタンピードは毎年7月に10日間にわたって開かれる祭りで,4頭の馬のひく炊事馬車の競走がその中心行事である。
執筆者:大原 祐子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
カナダ、アルバータ州中南部の中心都市。人口88万8866(2001)。ロッキー山麓(さんろく)の東方80キロメートルにあり、標高1060メートル、半乾燥気候で、冬季にロッキー山脈から吹き下ろす高温で乾燥したシヌック風は周辺の植生に多くの影響を与えている。1875年北西騎馬警官隊の要塞(ようさい)地となったのが起源。周辺は放牧地または小麦畑で、この広大な農牧地域の穀物、家畜の取引地として知られる。また、近郊鉱山、炭田への物資供給地で、鉄道、自動車道の要衝でもあったが、近郊のターナー・バレーで1914年に天然ガス、1937年に石油が発見され、さらに北部で油田が発見されるに及んで、石油都市として急速な発展をした。石油、ガス会社が集中し、市中心部には高層ビルが林立し、カナダ一の人口急増都市となった。石油工業の発展とともに精油、製粉、食品加工、機械製造、化学工業などの工場が多数ある。家畜取引所は現在も重要で、7月に開催されるロデオ大会のスタンピードは有名で、カナディアン・ロッキーへの玄関口にあたり、海外からの観光客も多い。1988年には冬季オリンピックが開催された。
[山下脩二]
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