カンバーランド(読み)カンバーランド[はく・こうけ](その他表記)Cumberland, Earls and Dukes of

デジタル大辞泉 「カンバーランド」の意味・読み・例文・類語

カンバーランド(Cumberland)

米国メリーランド州北西部の都市アパラチア山脈の麓、ポトマック川の支流沿いに位置する。18世紀半ばに置かれた交易拠点に起源する。かつて石炭の積み出しで栄え、製造業が盛んだった。
カナダブリティッシュコロンビア州バンクーバー島の村。同島東岸の都市コートニーの南西郊に位置する。コーモックスバレーの村の一つ。19世紀末に石炭が見つかり、炭鉱により発展。日本人や中国人をはじめ、各国からの移民が流入した。

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精選版 日本国語大辞典 「カンバーランド」の意味・読み・例文・類語

カンバーランド

  1. ( Cumberland )
  2. [ 一 ] イギリスイングランド北部の旧州。現在はカンブリア州の一部。
  3. [ 二 ] アメリカ合衆国、メリーランド州の鉱工業都市
  4. [ 三 ] アメリカ合衆国南部の川。オハイオ川の支流。水源はカンバーランド高原
  5. [ 四 ] アメリカ合衆国南部、アパラチア山脈南西部の高原状の山地。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンバーランド」の意味・わかりやすい解説

カンバーランド(伯・公家)
カンバーランド[はく・こうけ]
Cumberland, Earls and Dukes of

イギリスの貴族の家柄。伯爵位は 1525年クリフォード (男家)ヘンリークリフォード (1493~1542) が授けられたのに始る。彼は,36年の「恩寵の巡礼」の際,北方貴族のうち最後までヘンリー8世に忠誠を尽したことで知られる。3代伯ジョージ (58~1605) は,海軍軍人としてアルマダ (→無敵艦隊 ) を迎え撃ったイギリス艦隊の司令官の一人。5代伯ヘンリー (1591~1643) は北部諸州の統監をつとめ,主教戦争スコットランド軍と戦ったのち,1642年清教徒革命の勃発とともにヨークで国王派として挙兵したが翌年没し,伯家も断絶した。公爵位は,17世紀にルーパートに授けられたのに始り,代々王族によって継承された。2番目はアン女王の夫のデンマーク公ゲオルグ (53~1708) ,3番目はジョージ2世とカロライン (アンスバハの) の3男ウィリアム・オーガスタス (カンバーランド〈公〉 ) ,4番目はジョージ3世の弟にあたるヘンリー・フレデリック (45~90) ,5番目はジョージ3世の5男アーネスト・オーガスタス (71~1851) で,イギリス軍総司令官をつとめた軍人であるとともに,政治的には旧教徒刑罰法規の緩和や選挙法改正に反対した保守派で,1837年エルンスト・アウグスト1世としてハノーバー王位についた。

カンバーランド(公)
カンバーランド[こう]
Cumberland, William Augustus, Duke of

[生]1721.4.15. ロンドン
[没]1765.10.31. ロンドン
イギリスの軍人。国王ジョージ2世の子。オーストリア継承戦争中の 1745年連合軍司令官となったが,フランス軍に大敗。同年本国に呼戻され,「四十五年の反乱」に際して,鎮圧軍司令官となり,スコットランドを経てイングランドに侵入したジャコバイト軍を迎撃。カロデンで大勝したのちスコットランドに留まって残虐,過酷な平定を行なった。その後フランスに転戦して,連敗したため父の不興を買い,57年解任された。

カンバーランド
Cumberland

イギリスイングランド北西部の旧県名。1974年の自治体再編により廃止。今日のカンブリア県の北部にあたる。

カンバーランド
Cumberland

アメリカ合衆国,メリーランド州西部州境の都市。アパラチア山系を横断してオハイオ川に通じる谷 (カンバーランド隘路) の入口にあたる。炭鉱のほかゴム,織物,紙などの工場もある。人口2万 3706 (1990) 。

カンバーランド
Cumberland, Richard

[生]1732
[没]1811
イギリスの劇作家。感傷的家庭悲劇で知られる。代表作『西インド人』 The West Indian (1771) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「カンバーランド」の意味・わかりやすい解説

カンバーランド
Cumberland

アメリカ合衆国,メリーランド州北西部の工業都市。人口2万1518(2000)。鉄道と工業の中心地で,周辺の石炭地帯にとって重要な石炭積出地。繊維,合成繊維,タイヤ,ガラス,石油化学製品,金属製品などの工業もある。1750年,アパラチア山脈を越えてオハイオ河谷に至る地点に建設された交易所が町の母体となった。19世紀前半,アパラチア山脈を越えて中西部に至るカンバーランド道路の東の起点であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンバーランド」の意味・わかりやすい解説

カンバーランド(アメリカ合衆国)
かんばーらんど
Cumberland

アメリカ合衆国、メリーランド州北西部の工業都市。人口2万1518(2000)。鉄道と工業の中心地で、周辺の炭鉱地帯にとって重要な石炭積出し地である。繊維、合成繊維、タイヤ、ガラス、火薬、プラスチック、金属製品などの工業がある。アパラチア山脈を越えてオハイオ川に至る地点に1750年に建設された交易所がこの町の起源で、フレンチ・アンド・インディアン戦争が始まる前の1754年にはカンバーランド砦(とりで)もつくられた。

[菅野峰明]


カンバーランド(カンブリア)
かんばーらんど

カンブリア

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