日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンクーバー島」の意味・わかりやすい解説
バンクーバー島
ばんくーばーとう
Vancouver Island
カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、太平洋岸南端の島。長さ454キロメートル、幅約80キロメートル。面積3万2137平方キロメートル。北西―南東方向に長い。東のカナダ本土とはクイーン・シャーロット海峡、ジョージア海峡、南のアメリカ合衆国とはフアン・デ・フカ海峡で隔たる。1849年ハドソン湾会社からイギリスに譲られ、1866年ブリティッシュ・コロンビア州に加わった。島を縦断する標高600~1200メートルの山脈は広義のコースト山脈の一部を構成し、最高点はゴールデン・ハインデ山(2210メートル)である。山地は氷食によるU字谷を示し、多くのフィヨルドにつながる。みごとなスギ、モミの針葉樹林に覆われ、林業、製材、木材加工が重要な産業である。農業は東部海岸平野に集中し、酪農、果樹・野菜栽培が行われる。漁業も盛んである。主要都市は州都ビクトリア、ダンカンなどである。1778年にクックが探検した。
[大竹一彦]