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カー Carr, Edward Hallett

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カー
Carr, Edward Hallett

[生]1892.6.28. ロンドン
[没]1982.11.3. ケンブリッジ
イギリスの歴史家,国際政治学者。 1916年ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ卒業後,外務省に入り 36年まで勤務。退官後は,ウェールズ大学の国際政治学教授として 47年まで在任,53~55年オックスフォードのベリオール・カレッジで政治学を講じ,55年母校の特別研究員。この間,39~40年情報省対外広報局長,41~46年『タイムズ』論説副主幹,48年国連世界人権宣言起草委員会委員長を歴任,実務的な活動も行なった。その研究は『ドストエフスキー』 Dostoevsky,a new biography (1931) ,『カルル・マルクス』 Karl Marx (34) ,『バクーニン』 Michael Bakunin (37) などロシアを中心とする思想家の伝記から始り,30年末以降は『危機の二十年-国際関係研究序説』 The Twenty Years' Crisis -An Introduction to the Study of International Relations (39) ,『ナショナリズムの発展』 Nationalism and After (45) ,『両大戦間における国際関係史』A Study of Foreign Policy from Versailles to the Outbreak of War (47) ,『西欧を衝くソ連』 The Soviet Impact on the Western World (46) ,『革命の研究』 Studies in Revolution (50) ,『新しい社会』 The New Society (51) など国際政治に関する著作が多く,50年からは『ボリシェヴィキ革命-1917-23』 The Bolshevik Revolution 1917-1923 (3巻,50~53) をはじめとする膨大なソビエトロシア史を刊行している。その歴史観は,61年の『歴史とは何か』 What is History?に要約されており,「歴史は過去と現在との対話である」と繰返し説き,不断に動く世界に対する感覚を失わないよう警告している。国際政治学に関する研究では,国際政治の理論と現実を巧みに分析総合している。

カー
Carr, John Dickson

[生]1906. ペンシルバニア,ユニオンタウン
[没]1977.2.27. サウスカロライナ,グリーンビル
アメリカの推理小説作家。カー・ディクソン,カーター・ディクソンの筆名も用いる。高等学校時代から推理小説を書き,ペンシルバニア州のハバフォード大学を卒業して,パリに遊学。処女作『夜歩く』 It Walks by Night (1930) が好評を博し,以後英米両国で活躍,フェル博士,ヘンリー・メリベール卿など不滅の探偵像を創造した。代表作に『帽子収集狂事件』 The Mad Hatter Mystery (33) ,『黒死荘殺人事件』 The Plague Court Murders (34) ,『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』 The Emperor's Snuff-Box (42) があり,怪奇仕立てのものや密室殺人を扱う本格推理小説が多い。

カー
Kerr, Hugh Thomson

[生]1909.7.1. シカゴ
[没]1992.3.27. プリンストン
アメリカの長老派教会牧師。ルイビル長老派神学校組織神学私講師 (1936~40) ,その後プリンストン神学大学組織神学教授を務める。"Theology Today"誌の編集者。『キリスト教綱要抄』 Compend of Calvin's Institute (1939) と『ルター神学概論』 Compend of Luther's Theology (1943) を編集。主著は"Positive Protestantism; An Interpretation of the Gospel" (1950) 。

カー
Kerr, John

[生]1824.12.17. エアシャー,アードロッサン
[没]1907.8.18. グラスゴー
イギリスの物理学者。グラスゴー大学で神学を修め,グラスゴーの師範学校の数学講師 (1875) 。「カー効果」で知られる。ロンドン・ロイヤル・ソサエティ会員 (90) 。主著『力学要論』 Elementary Treatise on Rational Mechanics (67) 。

カー
ka

古代エジプト人がバー (バイ) とともに信じていた目に見えない人間の「生命力」あるいは精神を構成する一要素。しかし不明な部分が多く,はっきり規定することはむずかしい。人間は死んでもカーは遺体が保存されているかぎり生き続けるとされ,そのためエジプト人は遺体をミイラとして保存し,さらにの中に死者生前の姿を写した彫像 (カー像) を安置した。墓には偽扉が取付けられ,カーはこの見せかけの扉を通って供物を受けることができると考えた。

カー
Kerr, Deborah

[生]1921.9.30. ヘレンズバラ
[没]2007.10.16. サフォーク
イギリスの映画・舞台女優。本名 Deborah Jane Kerr-Trimmer。アメリカ合衆国の映画界に多大な貢献をした。おばが運営するブリストルの演劇学校でダンスを学んだのち,サドラーズ・ウェルズ・バレエ学校の奨学生となった。17歳のときロンドンでバレリーナとして初舞台を踏んだが,演劇に関心をいだいてシェークスピア劇の公演で端役を演じるようになった。1941年イギリスで映画デビューを果たし,『黒水仙』Black Narcissus(1947)で主役の座を射止めた。その名演が高く評価され,ハリウッド映画界に進出。フレッド・ジンネマン監督の『地上(ここ)より永遠に』From Here to Eternity(1953)では不倫に走る肉感的な軍人の妻役に挑戦し,相手役のバート・ランカスターと浜辺で交わるシーンはハリウッド映画史上に残る名場面となった。アカデミー賞では合計 6回主演女優賞候補になり,1993年アカデミー賞名誉賞を受賞。1997年大英帝国三等勲功章 CBEを授与された。

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デジタル大辞泉の解説

カー(car)

自動車。「マイカー」「カーラジオ」
列車の車両。「ロマンスカー

カー(John Dickson Carr)

[1906~1977]米国の推理小説家。カーター=ディクスン(Carter Dickson)などのペンネームも使い分け、怪奇趣味・不可能犯罪を特徴とした多くの推理小説を書いた。作「火刑法廷」「三つの棺」「皇帝のかぎ煙草入れ」など。

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百科事典マイペディアの解説

カー

英国の国際政治学者,歴史学者。外交官(1916年―1936年),ウェールズ大学教授(1936年―1946年),《タイムズ》論説委員などを歴任。王立国際問題協会員。
→関連項目国際政治学

カー

米国生れの英国の推理小説作家。《夜歩く》(1930年)で登場,以後,フェル博士,ヘンリー・メリベル(カーター・ディクソンのペンネームでの作品)を探偵主人公とする密室殺人事件ものを発表した。
→関連項目推理小説

カー

古代エジプトの霊魂概念で,通常〈生命力〉〈守護霊〉の意。個人の誕生とともに生まれ,生涯その者に伴って導き養うとされる。ヒエログリフでは両手を挙げた礼拝ないし支持の形で表される。

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世界大百科事典 第2版の解説

カー【ka】

古代エジプトの死者の霊魂でバー,アクakhと共に3種の霊的概念の一つ。ふつう両手を挙げ礼拝ないしは支持,保護の姿で表される。肉体は地上での神の姿であり,カーはその聖なる部分,天上的要素である。いわば人格の分離されたもので,個人とは対をなす双生児として生まれ,生命維持の力として生涯その人間に伴い,その死に先立って来世に居住して彼の到来するのを待ち,彼を導き,食事を共にし,守護するという。〈カーに赴く〉とは死を,〈カーの家〉とは墓を意味した。

カー【Edward Hallett Carr】

1892‐1982
イギリスの歴史学者,国際政治学者。ロンドンに生まれ,ケンブリッジ大学を卒業し,1916年外務省に入る。19年パリ講和会議にイギリス代表団の随員として参加。36年外務省を辞め,ウェールズ大学,のちケンブリッジ大学の国際政治学教授となる。その間41‐45年は《タイムズ》の論説委員となり,48年には国連世界人権宣言起草委員会委員長をつとめた。著書には《平和の条件》(1942),《危機の20年 1919~1939》(1939)などパワー・ポリティクスに基づく科学としての国際政治を重視し,〈リアリスト・ユートピア的総合〉を意図した。

カー【John Dickson Carr】

1906‐77
アメリカに生まれ,後にイギリスに住みついた推理小説作家。カーター・ディクソンCarter Dickson,カー・ディクソンCarr Dicksonの筆名も使う。密室殺人のトリックの大家として知られるが,オカルト的雰囲気を利用したり,歴史推理小説を書いたり,創意をこらす。日本の江戸川乱歩,横溝正史に影響を与えた。代表作《帽子蒐集狂事件》(1933)。ほかに《コナン・ドイル伝》(1949)がある。【小池 滋】

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大辞林 第三版の解説

カー【car】

車両。自動車、特に乗用車。多く他の外来語と複合して用いる。 「 --ステレオ」 「 --クーラー」 「マイ--」

カー【Edward H.Carr】

1892~1982) イギリスの政治学者・外交官。国際政治の理論家として活躍。権力の要素を重視し現実と理想との総合を説く。またロシア史を研究。著「危機の二〇年」「ソビエト-ロシア史」など。

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世界大百科事典内のカーの言及

【エジプト美術】より

… この鈍重な原始性からの脱却は古王国の第3王朝に始まり,第4王朝にはそれをみごとに達成し,写実的洗練と彫刻的量感の安定とをもって大型の肖像彫刻に成功した。エジプト人は,肉体と〈死者の霊〉カーとが不離の一体となってこの世に生き,この両体の分離が死であると考えたが,絶対永遠の分離ではなく,死者の霊は墳墓内に永くとどまり,ミイラとなって玄室に存する肉体との神秘的合体によって,墓の内外を自由に往来し,現世におけると同じように供物を飲食し舞楽を享楽する神通力を得ると信じた。また死者の生前のおもかげを彫像として墓内の密室に安置し,死者の霊はこの肖像に宿ることによっても神通力を得ると信ぜられた。…

【手】より

【田隅 本生】【藤田 恒夫】
【文化史】
 漢字の〈手〉が5本の指と手のひらをかたどっているのに対して,英語hand,ドイツ語Handの原義は〈握る装置〉の意であり,機能を指す語である。〈手〉の用例はきわめて多様で,身体の一部としての意味を残す〈上手(じようず)〉(〈下手(へた)〉)a good(poor) hand at~,相撲の〈四十八手〉や将棋の〈手〉のように方法や策略を示すもの,トランプのホイストやブリッジで配られたカードの〈組〉を指す場合,方角を表す〈山手〉や〈上手(かみて)〉,その他がある。日本では〈手〉に代価の意をもたせて〈塩手米〉のように商品交換を表す語とした例が鎌倉時代以後にあるが,さらにさかのぼれば《万葉集》では〈テ〉に〈価〉や〈直〉をあてており,〈手〉と交換,交易との関連はかなり古くから意識されていたと推定される。…

【トンコリ】より

…おもにサハリン(樺太),北海道の北部(宗谷地方)に分布していた,アイヌの弦楽器。樺太ではトンコリ,北海道ではカー(〈弦〉の意)の呼称をもつ。全長約120cm,幅10cm,厚さ5cm,中を空洞にした共鳴胴をもつ楽器で,座って楽器を肩に立てかけたり,横抱きにしたりして両手の指で弦をはじいて音を出す。…

【国際政治学】より

…1916年にイギリスのフェビアン協会がウールフLeonard Woolfに委嘱した〈国際政治論International Government〉の研究報告はその先駆といえよう。 E.H.カーは国際政治における現実主義と理想主義の問題を研究の対象とした。カーはその著書《危機の20年The Twenty Years’ Crisis》(1939)で,戦間期の国際的危機について,ヨーロッパに支配的である自由放任主義による利害調和の考え方が〈ユートピア的立場〉であり,これに対して,ファシズム国家は力ばかりを強調する〈リアリスト的立場〉であって,それぞれが一方に偏しているところに危機が存在していると指摘した。…

※「カー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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