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ガス事業 ガスじぎょう

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百科事典マイペディアの解説

ガス事業【ガスじぎょう】

都市ガスを供給する事業。最初のガス会社は1812年英国のロンドンに設立され,日本では1872年横浜が最初(ガス灯)。業者間の供給独占の弊害を避けるため,ガス事業法(1954年制定)で,許可・認可・報告などの公益事業規制を受けている。
→関連項目エネルギー産業

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世界大百科事典 第2版の解説

ガスじぎょう【ガス事業】

不特定多数のいわゆる一般の需要に応じて導管によりガスを供給する事業。ガス事業(都市ガス事業)は,事業者間の自由な競争の結果による供給独占の弊害を避けるため,電力事業と同様に,日本をはじめ欧米先進諸国においても,なんらかの公益事業規制が行われている。
[日本のガス事業]
 日本のガス事業は,ガス事業法(1954制定)に基づき事業活動の主要な部分について,許可・認可・報告などのいわゆる公益事業規制を受けている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガス事業
がすじぎょう

ガスを製造・貯蔵し、搬送し、需要家に配分する事業。現在の日本では、天然ガスを配管で供給する都市ガス事業者と、液化石油ガスLPガス)をボンベないし配管で供給するLPガス事業者が、中心的な存在である。
 天然ガスを日本で使用する場合には、LNG(液化天然ガス)の形で海外から輸入することが支配的である。日本ではLNGが火力発電用燃料に多用されるため、電気事業者のLNG使用量がガス事業者のそれを上回る。[橘川武郎]

歴史

世界最初のガス事業は、18世紀末のイギリスで、照明用として成立した。その後、1855年にブンゼンバーナーが発明され、ガスが熱エネルギーの供給源としても使われるようになり、ガス事業は大きな発展をとげるにいたった。
 日本では、1872年(明治5)に高島嘉右衛門(かえもん)が横浜・馬車道付近にガス灯を設置したのが、ガス利用の嚆矢(こうし)である。1885年には東京府瓦斯(ガス)局の払い下げを受け、最初のガス会社である東京瓦斯が成立した。その後、長崎、大阪、博多など全国各地でガス会社が誕生した。
 事業創始から今日にいたる過程で、日本のガス事業は、四度の大きな変化を経験した。
 第一は、動力源から照明源への需要転換である。事業がスタートした当時、ガスは主として動力源として使われていたが、1900年代に白熱マントルが登場すると、炭素電球をしのぐ明るさをもつガス灯の再評価が進み、ガス会社設立の全国的ブームが生じた。その結果、1915年(大正4)には全国で91社のガス会社が事業を展開するにいたった。
 第二は、照明源から熱源への二度目の需要転換である。1910年(明治43)にタングステン電球が登場したこと、および第一次世界大戦の戦中・戦後にガスの原料となる石炭の価格が高騰したことによって、水力中心の電源構成に移行した電力に対してガスは、照明源としての競争力を失った。ガス会社は、事業の存亡にかかわるこの危機を、家庭用熱エネルギー供給に活路を見出すことによって乗り切った。
 第三は、1958年(昭和33)から始まった石炭から石油への原料転換である。原油価格が石炭価格に比べて低位になったこと、コークス炉と比べて設備費が低廉であること、ガス製造量の調整が容易であること、操作が容易であること、などの理由によって各ガス会社は、原油、LPガス、ナフサ等の石油系原料への転換を進めた。
 第四は、石油からLNGへの第二の原料転換である。東京ガスは1969年に、大阪ガスは1972年に、東邦ガスは1977年に、それぞれ天然ガスへの燃料転換に取り組むようになった。この転換には、5000キロカロリーから1万1000キロカロリーへ熱量が変わるため、全需要家を訪問し、すべてのガスコンロを調整するという、大規模な熱量変換(熱変)作業が必要であった。業界全体で数兆円を要したといわれる熱変作業は、1988年に完了した。[橘川武郎]

ガス事業への期待と課題

2011年(平成23)3月11日に発生した東日本大震災と、それに伴う東京電力・福島第一原子力発電所事故は、日本のエネルギーのあり方を大きく変化させた。原子力発電に依存した電源構成への反省が進み、代替電源として、化石燃料のなかでは二酸化炭素排出量が相対的に少ない天然ガスを使用するLNG火力発電への期待が高まった。天然ガスの利用を拡大していく、いわゆる「天然ガスシフト」が、国民的課題となったのである。
 天然ガスシフトの中心的な担い手となるのは、ガス事業者である。しかし、このシフトを実現するためには、少なくとも二つの課題が残されている。
 一つは、天然ガスの調達価格を引き下げることである。日本の電力会社やガス会社は、供給安定性を重視する観点からLNGを長期契約で確保しており、そのこともあって、調達価格が割高であるケースが多い。アメリカで増産が進むシェールガス(シェール=頁岩(けつがん)層から新技術によって生産できるようになった天然ガス)等の非在来型ガスを購入するなどして、調達コストを低下させることが、天然ガスシフトの前提条件となる。
 もう一つは、国内のパイプライン網を整備することである。日本の天然ガスパイプラインは、東海道や山陽道でも分断されており、欧米諸国や韓国と比べて、はるかに脆弱(ぜいじゃく)である。インフラの整備なくして、天然ガスシフトは進まないのである。
 東日本大震災は、天然ガスだけでなく、LPガスへの期待も高めた。被災地では、震災直後、現場に残されていたLPガス・ボンベが、「軒下在庫」として唯一のエネルギー源となり、多くの命を救ったからである。今後は、天然ガスが普及している都市部でも、直下型地震などに備えて、災害に強い分散型エネルギー源であるLPガスを使用することが、重要なテーマとなる。そのためには、LPガス事業についても、調達コストの抑制や配送業務の合理化などの課題を達成する必要がある。[橘川武郎]
『資源エネルギー庁ガス市場整備課他監修『ガス事業便覧』各年版(日本ガス協会) ▽橘川武郎著『通商産業政策史1980-2000第10巻 資源エネルギー政策』(2011・経済産業調査会)』

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世界大百科事典内のガス事業の言及

【都市ガス】より

…パイプラインによって供給され,家庭の暖房・厨房(ちゆうぼう)用,商業用,工業用の燃料として使われるガスをいう。 世界最初のガス事業は1812年にロンドンで始められたが,日本では72年に横浜で,続いて74年に東京と神戸でガス事業がおこった。当時の都市ガスは石炭乾留によって製造され,用途は照明用,動力用などであったが,やがて電気事業がおこり,電灯や電動機が普及して,ガスはもっぱら厨房,暖房などの燃料に用いられるようになった。…

※「ガス事業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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