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キルヒマン Kirchmann, Julius Hermann von

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キルヒマン
Kirchmann, Julius Hermann von

[生]1802.11.5. メルゼブルク,シャフシュテット
[没]1884.10.20. ベルリン
ドイツの法律家哲学者,政治家。 1848年から 76年まで政治家として議員活動を行う。 67年ラティボル控訴院副院長当時「自然における共産主義」と題する講演を行なったためその地位を解かれた。また『哲学叢書』 Philosophische Bibliothekの創刊者であり,多くの哲学上の著作を発表している。法律家として彼が特に有名になったのは,48年ベルリン検事当時「法律学の科学としての無価値性」と題する講演を行い,「かりに立法者が言葉を3つ訂正したとせよ,そうすればすべての法律図書はほごになるであろう」と言い切ったことによる。これは法律の条文だけにとらわれた当時の法律学に向けられた批判であり,自由法運動の先駆をなすものであった。

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世界大百科事典 第2版の解説

キルヒマン【Julius Hermann von Kirchmann】

1802‐84
ドイツの法学者,思想家司法官として高い地位に昇ったが,独立不羈(ふき)の言論活動のため,プロイセンの官憲の忌諱(きき)にふれ,1867年に職を解かれ,ドイツ統一後,ドイツ帝国議会の議員となり,晩年は在野の哲学者として多くの著述や訳業を残した。法学史上よく知られているのは,在官時代の1847年に,《学問としての法律学の無価値性について》という題で行った衝撃的な講演(のちに論文として刊行)である。当時はいわゆるパンデクテン法学の全盛期であったが,伝統的な法学の方法への根本的な懐疑を表明した先駆的マニフェストとして,のちのR.イェーリングの目的法学や,それにつづく自由法論への道を開いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キルヒマン
きるひまん
Julius Hermann von Kirchmann
(1802―1884)

ドイツの法律家、哲学者、政治家。1867年「共産主義の本質について」と題する公開講演がもとでラティボール控訴裁判所副長官を免職される。その後、プロイセン下院、ドイツ帝国議会などで自由主義左派議員として1876年まで活躍。他方、1868年以来「哲学文庫」を編集し、デカルト、スピノザ、ホッブズ、ロック、ヒュームなどの古典的哲学書の独訳および注釈つき出版事業に専念、国民教育に大きな影響を与えた。彼の名を法学史上有名にしたのは、歴史法学を批判した主著『学問としての法学の無価値性』(1848)のなかで、人為的、恣意(しい)的に制定される法律を研究する「法学の無価値性」を皮肉った次の警句である。「立法者が改正のことばを三つ語れば、すべての法律書は反故(ほご)と化する」。[安 世舟]

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367日誕生日大事典の解説

キルヒマン

生年月日:1802年11月5日
ドイツの法律家,哲学者,政治家
1884年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典内のキルヒマンの言及

【法学】より

…これに対して法学は法の公正かつ妥当な解釈・適用を目的とし,そのために法の内容を研究し体系的に理解しようと努める。法学の科学性に対する懐疑としては,1847年にドイツの裁判官J.vonキルヒマンが行った〈法律学の学問としての無価値性について〉という講演が有名である。キルヒマンはこの中で,法という人為の産物であり時勢とともに変遷する対象を扱う法学は厳密な意味で学問の資格を有しないと説き,〈立法者が三たび改正のことばを語れば万巻の法律書が反故(ほご)と化する〉と主張した。…

※「キルヒマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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