出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…地球儀は距離,方角,面積,形状を正しくあらわす点で地図に勝るが,いかに大型のものでも縮尺が極端に小さく,地図の代用とはならないが,かつては大洋航海の船舶に必要な儀器の一つとして重んじられた。 世界最初の地球儀は,前160年ころマロスのクラテスKratēs Mallōtēsによって作られたと伝えられている。ギリシア科学を受けついだイスラム圏でも地球儀は作られ,1267年元代の中国に伝来しているが,中世イスラム圏製の地球儀の現存は知られていない。…
…〈恥をなくすこと(アナイデイアanaideia)〉によって,あらゆる因襲,権威から解放されること,これが魂の〈自足(アウタルケイアautarkeia)〉を目ざす彼の哲学的実践であった。その弟子テーバイのクラテスKratēsは師説を広め,〈無所有〉こそ,いっさいの苦しみ,葛藤から逃れる秘訣とし,後のストア学派の前触れとなった。【大沼 忠弘】。…
…その結果,人間が住む世界oikoumenēに対し,対向世界antoikoi,対蹠(たいせき)世界antipodes,反世界antikthonēsが球面上に存在してつりあいを取っていると考えた。前2世紀の人マロスのクラテスKratēs Mallōtēsは対蹠世界には足が逆向きについた住民がいると述べている。この方位観は今日もなお,ロンドンの対蹠にあたるオーストラリアを〈下の世界Down Under〉とする英語の言い方などになごりをとどめている。…
※「クラテス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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