クラ川(読み)クラがわ(その他表記)reka Kura

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラ川」の意味・わかりやすい解説

クラ川
クラがわ
reka Kura

ザカフカジエ(後カフカス地方)を流れる川。全長 1364km。流域面積 18万8000km2。トルコ北東部のアルメニア高原に源を発し,北東流してジョージアグルジア)に入る。小カフカス山脈を横断したのち南東へ流れを変え,トビリシを経てアゼルバイジャンに入り,同国を貫流してカスピ海に注ぐ。中流部のミンゲチャウールに人造湖と水力発電所があり,下流部流域に広がるクラアラクス低地灌漑用水源となっている。下流部は複雑に分流し,河口に鳥脚状のデルタを形成。増水期は春~初夏,減水期は秋。河口からエブラフまで航行可能。アラス川アラザニ川,イオリ川,アラグビ川などの支流がある。沿岸主要都市はジョージアのボルジョミゴーリムツヘタ,トビリシ,ルスタビ,アゼルバイジャンのミンゲチャウール,アリバイラムルイ

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改訂新版 世界大百科事典 「クラ川」の意味・わかりやすい解説

クラ[川]
Kura

ザカフカス地方の大河。長さ1364km,流域面積18万8000km2。トルコ領アルメニア山地(標高約3000m)の源流部から北流してグルジア共和国に入り,東に流れる。急流で山地を深く下刻する。ゴリ,トビリシを過ぎると河谷は開け,アゼルバイジャン共和国に入ると,乾燥したステップの中を曲流して流れる。中流にはミンゲチャウル貯水池と発電所が1960年代に完成した。下流はクラ・アラス(アラクス)低地を南東に流れてアラス川を南岸に合わせ,100km2の三角州をつくってカスピ海に流入する。トビリシでの平均流量は205m3/s。中流以下は灌漑用水,可航水路として重要。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラ川」の意味・わかりやすい解説

クラ川
くらがわ
Кура/Kura

中央アジア南西部、カフカス地方最大の川。トルコ北部のアルメニア高原に源を発し、ジョージア(グルジア)のトビリシを経て、ジョージア、アゼルバイジャン両共和国を潤し、カスピ海に注ぐ。全長1364キロメートル、流域面積18万8000平方キロメートル。中流部につくられたミンゲチャウル貯水池より下流域は、シルバンスカヤ、ミリスカヤ、ムガンスカヤなどのステップ(短草草原)地帯となり、灌漑(かんがい)用施設が建設されている。河口より140キロメートル上流で、イランとの国境を流れる最大の支流アラクス川を合流する。河口には面積約100平方キロメートルの三角州を形成する。河口より約480キロメートル上流のエブラフまで航行可能。

村田 護]

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