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クロロホルム chloroform

翻訳|chloroform

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロロホルム
chloroform

CHCl3 。別名トリクロルメタン。吸入麻酔薬の一つで,1847年スコットランドの産科医 J.シンプソンが最初に無痛分娩のため使用した。無色透明の液体で,揮発性が強く,独特の甘い臭いがあって不燃性,比重は約 1.5で水には溶けず,エーテルアルコールリポイドには溶ける。初期の全身麻酔薬として外科学史上では有名であるが,臓器毒性があるため,最近では医薬品として用いられていない。一般に溶解能が高いので溶媒として用いられるほか,フッ素樹脂の原料,分析試薬としても用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

クロロホルム

化学式はCHCl3。メタンCH4の3個の水素原子を塩素原子に置換した化合物。無色,芳香のある液体。融点−63.5℃,沸点61.2℃。水に難溶,有機溶媒に易溶。
→関連項目手術トリハロメタン麻酔

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栄養・生化学辞典の解説

クロロホルム

 CHCl3 (mw119.38).揮発性の液体で,古くは麻酔に用いられた.

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世界大百科事典 第2版の解説

クロロホルム【chloroform】

メタンCH4の3個の水素原子を塩素原子で置換した化合物。トリクロロメタンともいう。化学式CHCl3。融点-63.5℃,沸点61.2℃。無色透明,揮発性かつ不燃性の液体で,特有な香気を有する。比重1.4985(15℃)で水より重く,また水にはほとんど混ざらないため下に沈む。アルコール,エーテルなどの一般有機溶剤とはよく混和する。酸には安定であるが,アルカリにはあまり安定でない。強アルカリの作用で脱塩酸し,ジクロロカルベン:CCl2を発生する。

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大辞林 第三版の解説

クロロホルム【chloroform】

無色揮発性で甘いような特有のにおいのある液体。化学式 CHCl3 メタンを塩素と反応させてつくる。有機化合物の溶剤、フロンの原料。以前は外科手術の吸入用麻酔剤として使われた。トリハロメタンの主成分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クロロホルム
くろろほるむ
chloroform

脂肪族塩素化合物の一種で、トリクロロメタンともいう。エタノール(エチルアルコール)またはアセトンと次亜塩素酸カルシウムとの反応によって得られる(ハロホルム反応)。この塩素化にはさらし粉が用いられる。工業的にはメタンの塩素化により合成している。甘い芳香をもつ無色の液体で揮発性がある。液体のクロロホルムは不燃性であるが、蒸気は燃える。空気中で光により徐々に分解して猛毒のホスゲンCOCl2を生成する。
  2CHCl3+3(O)
   ―→H2O+2COCl2+Cl2
この反応はエタノールにより防止できるので、市販のクロロホルムには通常0.5~1%のエタノールが添加されている。光による酸化分解を防ぐために、褐色の瓶に入れ冷暗所に保存する。工業的にはフッ素樹脂の原料であるクロロジフルオロメタンの製造などに使われている。水道水の殺菌の際に塩素を用いると水中の有機物(フミン質)との反応によりクロロホルムが生成するので、その発癌(はつがん)性が問題となっていて排出が規制されている。規制は水質汚濁防止法などに基づいて行われていて、厚生労働省令では水質基準値を0.006mg/Lと定めている。[廣田 穰]

医薬用

歴史的な吸入麻酔剤で、心臓、腎臓(じんぞう)、肝臓を障害するほか、麻酔後の悪心(おしん)や嘔吐(おうと)も多く、ほかによい吸入麻酔薬が出現したことから現在では麻酔にほとんど使用されず、抽出用溶媒や分析試薬として用いられるにすぎない。なお、イギリスでは癌(がん)性疼痛(とうつう)の緩和用に使われるコカイン・モルヒネ混液(ブロンプトンミクスチャー)にクロロホルム水として使用されている。[幸保文治]

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世界大百科事典内のクロロホルムの言及

【局所麻酔薬】より

…これらコカインおよびコカイン代用薬が狭義の局所麻酔薬であり,真性局所麻酔薬とも呼ばれるが,次のようなものも広義には局所麻酔薬に含まれる。すなわち,(1)エーテル,クロロホルムなど本来は全身麻酔薬であるが局所麻酔作用を有するもの,(2)疼痛性麻酔薬 石炭酸(フェノール),メントール,キニーネなど局所に投与すると,初めは知覚神経刺激による疼痛を生ずるが,後に麻痺を起こすもの,(3)寒冷麻酔薬 沸点の低いエーテル,クロロホルム,クロルメチルなど気化熱を奪うことによって局部凍結をきたし知覚を鈍化させるもの,などである。麻酔【福田 英臣】。…

※「クロロホルム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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