グロマーチャレンジャー号(読み)グロマーチャレンジャーゴウ

デジタル大辞泉 の解説

グロマーチャレンジャー‐ごう〔‐ガウ〕【グロマーチャレンジャー号】

Glomar Challenger米国深海掘削船名称は近代海洋学の端緒となった19世紀英国の軍艦・海洋調査船チャレンジャー号に由来する。水面下最大7000メートルまで掘削可能。1968年から1983年まで、深海掘削計画国際深海掘削計画従事大西洋中央海嶺を横断する掘削調査を行い、海洋底拡大説実証に大きく貢献した。

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

グロマー・チャレンジャー号 (グロマーチャレンジャーごう)
Glomar Challenger

アメリカの深海掘削船。1967年3月進水。長さ122m,中央部に高さ61mの掘削用やぐらをもつ。排水量1万1000トン。約6000mの海底を掘削できる。このため,海底においたソナー音波を受け,4個のサイドスラスターとメインスクリューを操作し船の位置を一定に保つ装置と,ドリルの先をいったん引き上げ,ふたたび同じ孔に入れる装置をもつ。JOIDES(ジヨイデス)計画のためにアメリカ科学財団の基金で建造され,国際協同計画IPOD(アイポツド)で使用された。この間,世界の各大洋の海底年代の測定,堆積構造の調査などを行い,海洋底拡大説立証など地球科学に大きな成果を収めた。
深海掘削計画
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグロマーチャレンジャー号の言及

【深海掘削計画】より

…DSDPでは,モホール計画の失敗を教訓として,モホ面まで貫くという意図はあきらめたが,もっと浅い掘削によって深海堆積物や地殻上部を研究しようというもので,当初はアメリカの数個の海洋研究所が合同・立案し,JOIDES(ジヨイデス)(Joint Oceanographic Institutions Deep Earth Sampling Program)の名のもとに1968年開始された。掘削船としてはグロマー・チャレンジャー号Glomar Challenger(1万1000トン)が使用されてきた。1976年以来,この計画は米,日,英,仏,独,ソ連の国際協同によるIPOD(アイポツド)(International Programme of Ocean Drilling)となり,1983年秋,第96節航海をもって終了した。…

【深海掘削計画】より

…DSDPでは,モホール計画の失敗を教訓として,モホ面まで貫くという意図はあきらめたが,もっと浅い掘削によって深海堆積物や地殻上部を研究しようというもので,当初はアメリカの数個の海洋研究所が合同・立案し,JOIDES(ジヨイデス)(Joint Oceanographic Institutions Deep Earth Sampling Program)の名のもとに1968年開始された。掘削船としてはグロマー・チャレンジャー号Glomar Challenger(1万1000トン)が使用されてきた。1976年以来,この計画は米,日,英,仏,独,ソ連の国際協同によるIPOD(アイポツド)(International Programme of Ocean Drilling)となり,1983年秋,第96節航海をもって終了した。…

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