ジョイデスレゾリューション号(読み)ジョイデスレゾリューションゴウ(英語表記)JOIDES Resolution

デジタル大辞泉 の解説

ジョイデスレゾリューション‐ごう〔‐ガウ〕【ジョイデスレゾリューション号】

JOIDES Resolution米国深海掘削船名称ジェームズ=クックの帆船HMSレゾリューション号に由来する。石油探査船を改造し、グロマーチャレンジャー号後継として1985年より運用開始。ライザーレス掘削技術を採用し、最大掘削深度は水面下9150メートル。日本地球深部探査船ちきゅう」とともに、統合国際深海掘削計画の主力船として活躍

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ジョイデス・レゾリューション号
じょいですれぞりゅーしょんごう
JOIDES Resolution

科学調査用の海底ボーリング試料を採取する掘削船。船名の「ジョイデスJOIDES」は、国際深海掘削計画Ocean Drilling Program(ODP)の前身である深海掘削計画Deep Sea Drilling Program(DSDP)の学術研究面を運営する機構であった深海底サンプリング海洋学研究所共同研究機構Joint Oceanographic Institution for Deep Earth Samplingの頭文字をとったものである。また「レゾリューション」は200年以上前、船長ジェームズクックが乗り組み、太平洋や南極周辺海域を探査したHMSレゾリューション号に由来する。1972年に竣工した海底油田探査船を改造したもので、国際深海掘削計画事業に従事。この一連の事業には、当初グロマー・チャレンジャー号が従事していたが、1985年に事業を拡充したおりに、性能の高い本船に切り替えられた。全長143メートル、幅21メートル、排水量1万8600トン。船の中央の高さ61メートルの掘削用の櫓(やぐら)が特徴的である。前後12のスラスター(船幅方向の推進器)を有し、秒速1.3メートルの海流のある所でも、また風速毎秒23メートル、最大波高9メートルの荒天でもボーリングを続けることができるようになった。ボーリングの能力も増強され、水深9150メートルまでの深海で掘削でき、また、海底下最大8235メートルまでの掘削が可能になった。

[安井 正・佐伯理郎]

『月刊『地球』編集部編『新しい地球観への挑戦――国際深海掘削計画(ODP)の成果』(月刊『地球』号外6号・1992・海洋出版)』『蒲生俊敬著『海洋の科学――深海底から探る』(1996・日本放送出版協会)』『月刊『地球』編集部編『21世紀の深海掘削への展望』(月刊『地球』号外19号・1997・海洋出版)』『藤岡換太郎著『深海底の科学――日本列島を潜ってみれば』(1997・日本放送出版協会)』『藤井弘道著『深海掘削計画における環境問題――主として廃棄物処理に関する法規制について』(1998・海洋科学技術センター)』『『国際深海掘削計画』(1998・東京大学海洋研究所ODP日本事務局)』『海技大学校編・刊、井口博夫著『海の底から地磁気の歴史を探る――深海掘削船ジョイデス・リゾリューション号』(2002)』

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