深海底でボーリングを行い、海洋底の進化を調査・研究する国際的な共同研究事業。初めアメリカが、1968年以来深海掘削計画Deep Sea Drilling Program(略称DSDP)を単独で行っていたが、1975年以降国際協力事業に拡充され、83年までに624地点で、延べ32万5548メートルの海底ボーリングを行い、海洋底拡大説を立証する輝かしい成果をあげた(掘削船は、1968年から1983年までグロマー・チャレンジャー号が従事)。1985年からは、国際深海掘削計画Ocean Drilling Program(略称ODP)と改称、掘削船もジョイデス・レゾリューション号(排水量1万8600トン)に大型化した。日本、アメリカをはじめ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツなど22か国が参加。アメリカ東岸から300キロメートルの大西洋ブレーク海嶺にて白亜紀/第三紀境界層を掘り当てるなど、多分野で優れた成果をあげた。この計画は、2003年10月に統合国際深海掘削計画ntegrated Ocean Drilling Program(略称IODP)として引き継がれ、採取されたコア(岩芯(がんしん))の解析や掘削孔を利用した計測を通じて、地球規模の環境変動、地震発生のメカニズムなどの解明が進められることになった。
[安井 正・佐伯理郎]
『月刊『地球』編集部編『新しい地球観への挑戦――国際深海掘削計画(ODP)の成果』(月刊『地球』号外6号・1992・海洋出版)』▽『蒲生俊敬著『海洋の科学――深海底から探る』(1996・日本放送出版協会)』▽『月刊『地球』編集部編『21世紀の深海掘削への展望』(月刊『地球』号外19号・1997・海洋出版)』▽『藤岡換太郎著『深海底の科学――日本列島を潜ってみれば』(1997・日本放送出版協会)』▽『藤井弘道著『深海掘削計画における環境問題――主として廃棄物処理に関する法規制について』(1998・海洋科学技術センター)』▽『『国際深海掘削計画』(1998・東京大学海洋研究所ODP日本事務局)』▽『ケネス・ジンファ・シュー著、高柳洋吉訳『地球科学に革命を起こした船――グローマー・チャレンジャー号』(1999・東海大学出版会)』▽『海技大学校編・刊、井口博夫著『海の底から地磁気の歴史を探る――深海掘削船ジョイデス・リゾリューション号』(2002)』▽『ケネス・ジンファ・シュー著、岡田博有訳『地中海は沙漠だった――グロマー・チャレンジャー号の航海』(2003・古今書院)』
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