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ケベード

百科事典マイペディアの解説

ケベード

スペイン文学黄金世紀を代表する作家で,いわゆる〈奇想主義〉の大家。あらゆる分野にすぐれた才人で,当時の政治にも大いにかかわり,外交官としても活躍した。代表作は政治的エッセー《神の政治》《マルクス・ブルートゥス伝》,ピカレスク小説の頂点をなす《ペテン師,ドン・パブロスの生涯》(1626年),当時の風俗を痛烈に風刺しつつ,地獄の幻想的な光景を描いた《夢》など。
→関連項目モデルニスモ悪者小説

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世界大百科事典 第2版の解説

ケベード【Francisco Gómez de Quevedo y Villegas】

1580‐1645
スペイン・バロック期を代表する散文家,小説家,詩人。警句地口などを駆使する,いわゆる〈奇知主義〉の大家。また多くの歴史的事件に身をもってかかわった情熱的な政治家でもあった。マドリードに生まれ,アルカラとバリャドリードの大学で人文主義的教養を身につけた後,オスーナ公爵に従ってシチリアに赴き,1616年公爵がナポリ副王に任命されると,その財務長官となって,地中海の支配をめぐるイタリア政策に腕をふるった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケベード
けべーど
Francisco Gmez de Quevedo y Villegas
(1580―1645)

スペインの政治家、詩人、小説家。名門の子としてマドリードに生まれ、アルカラとバリャドリードの大学で語学、哲学、神学を学ぶ。生まれつき足が悪く、しかも強度の近視であったが、早くから文武両道にわたる際だった才能が注目された。30代の初めイタリアへ渡り、シチリアやナポリの総督を務めたオスナ公爵の顧問となり、外交問題で活躍するが、オスナ公爵の失脚に巻き込まれて投獄され、所領地に謹慎を命じられた。1621年フェリペ4世が王位につき、政治の実権がオリバレス公伯爵に移ると、宮廷への復帰が認められる。しかし1639年ふたたび逮捕されてレオンのサン・マルコス修道院に監禁される(1639~43)。この失脚は、国王の食卓で発見された風刺詩が原因とされているが、実際はフランス側スパイの嫌疑をかけられたためらしい。釈放後は健康を損ない、1645年9月8日、転地先のビリャヌエーバ・デ・ロス・インファンテスで没した。
 ケベードは知性と情熱を備えた複雑な個性の持ち主で、その特色は作品にも反映している。一方ではローペ・デ・ベーガと比肩される叙情詩をものし、他方では当代随一と評される痛烈な風刺詩を数知れず残している。散文作品においても、高度な学識と見識をもとに『神の政治』(第1部1626、第2部1634~35執筆)や『マルクス・ブルータス伝』(1644)を書くかと思うと、ことば遊びと奇想を駆使したピカレスク小説『大悪党』(1626)や、風刺と諧謔(かいぎゃく)に満ちた『夢』(1627)のような、全編に才気横溢(おういつ)する作品を発表しており、まさにスペイン語の天才、奇想主義の王者とよばれる貫禄(かんろく)を示している。[桑名一博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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