ゲルバー橋(読み)ゲルバーキョウ(その他表記)cantilever bridge

デジタル大辞泉 「ゲルバー橋」の意味・読み・例文・類語

ゲルバー‐きょう〔‐ケウ〕【ゲルバー橋】

けたヒンジ継ぎ目)とからなる構造の橋。連続桁の長所をもち、支点不同沈下影響が少ない。東京両国橋などはこの形式ドイツゲルバー(J.G.Gerber)が創案

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精選版 日本国語大辞典 「ゲルバー橋」の意味・読み・例文・類語

ゲルバー‐きょう‥ケウ【ゲルバー橋】

  1. 〘 名詞 〙 連続橋両端の支点の間に蝶番(ちょうつがい)の働きをもつヒンジ(継ぎ目)を設けた橋。ドイツの土木技術者ゲルバーが考案。両端の支点部分から腕を突き出し、その間に別の桁(けた)を渡したもので、支点の不同沈下の影響が少なく、設計が簡単なので鋼橋、鉄筋コンクリート橋として広く用いられる。カンチレバー橋。突桁(つきげた)橋。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルバー橋」の意味・わかりやすい解説

ゲルバー橋
げるばーきょう
cantilever bridge

構造形式による橋の分類の一つ。主要部が2径間以上連続する橋(連続橋)の中間の適当なところにヒンジを設けたもので、考案者ゲルバーJohann Gottfried Heinrich Gerber(1832―1912)にちなんだ呼び名である。カンチレバー橋ともよばれる。力学的には、構造部分に働く力がつり合いの条件だけから決定できる。この形式の橋は、支点が沈下しても力の伝達状況は変化しないので軟弱な地盤にも適する。主構は桁(けた)あるいはトラスである。トラス橋では支間が500メートルを超える長大なものもある。カナダケベック橋(1917、主径間549メートル)、イギリスフォース橋(1889、主径間521メートル)、大阪の港大橋(みなとおおはし)(1974、主径間510メートル)などが著名である。

[小林昭一]


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百科事典マイペディア 「ゲルバー橋」の意味・わかりやすい解説

ゲルバー橋【ゲルバーきょう】

連続橋中に適当にヒンジ(自由に回転できる連結部)を挿入した構造の橋で,支点の不同沈下の影響が少ない。提案者ドイツのH.ゲルバー〔1832-1912〕の名にちなむ。カンチレバー橋とも。
→関連項目

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世界大百科事典(旧版)内のゲルバー橋の言及

【橋】より

…この連続橋を適当な位置で切断し,そこにヒンジ(回転自由な連結部)を挿入してやると,作用する曲げは連続橋に近い状態で,しかも支点沈下による無理な力はかからないですむ。このような形式の橋を考案者(ドイツのH.Gerber)の名をとってゲルバー橋,または張出し桁(片持ち梁cantilever)を含むゆえにカンチレバー橋と呼ぶ(図2-d)。地盤の弱い場所の多い日本では,以前からこのカンチレバー橋が広く用いられていたが,基礎工法の進歩に伴い,ヒンジという構造上・車両走行上の弱点をもたない連続橋のほうが増えてきている。…

※「ゲルバー橋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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