ココア(英語表記)cocoa

翻訳|cocoa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ココア
cocoa

チョコレートの原料になるカカオペーストを圧搾して相当量のカカオバターを除き粉砕したもの。ココアが飲用に供されるようになったのは,1828年オランダのバンホーテン社がチョコレートパウダーの製法特許を取り,その後消化と分散性をよくするためアルカリ処理の有効なことを発見してからである。ココアは紅茶,コーヒー,コーラなどと同様アルカロイド飲料であるが,大きく異なる点は含脂量 (約 20%) の高いこと,興奮作用と利尿作用をもつテオブロミン (1.1%) が含まれるが,その作用が穏やかなこと,カフェインが少いことである。含脂量から,次のように分類される。ブレクファストココアまたはピコアココア (含脂量 22~24%,飲用) ,中脂ココア (同 10~22%,飲用と製菓原料) ,低脂ココア (同 10%以下,製菓原料) ,脱脂ココア (同 0.2~0.5%) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

ココア

嗜好(しこう)飲料の一種。カカオの豆をあぶって殻を取り,圧搾して脂肪分(カカオバター)を除き粉末にする。砂糖,水または牛乳を加えて煮溶かして飲用。タンパク質,脂肪,糖質に富み,消化もよい。テオブロミンという苦味をもつアルカロイド(弱興奮性)を含む。16世紀初めごろアメリカ大陸からもたらされヨーロッパで飲用されるようになった。チョコレートはこの製造過程で脱脂しないものをいう。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

チョコレート・ココア辞典の解説

ココア

■ チョコレートは、長い間、飲みものでした。このため、150余年前に食べるチョコレートが発明されてからも、(飲む)チョコレート=ココアも、チョコレートといわれることがあります。

■ 「ココア」と「ホット チョコレート」の用語の厳密な区分はありません。慣用語として使われることが多いようです。
人によっては、「ホット ココア」は、飲みやすくするために、カカオ豆中のココアバターを減らした粉末ココアから作られ、「ホット チョコレート」は、ココアバターをより多く含んだクーベルチュール チョコレートから作られる、としています。


■ 一般的には、粉末ココアから作られるものも「ホット チョコレート」として販売する例が多いと考えられます。

■ フランスでは、 ショコラ ショー(仏:chocolat chaud)
という呼び方があります。

出典 日本チョコレート・ココア協会チョコレート・ココア辞典について 情報

栄養・生化学辞典の解説

ココア

 アオイ目アオギリ科カカオノキ属のカカオ[Theobroma cacao]豆の種子を処理し脂肪をとったあと,粉砕したもの.湯に溶かして飲用とする.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

食の医学館の解説

ココア

《栄養と働き》


 ココアとチョコレートは、ともにカカオの樹の種子、カカオ豆を原料とする食品です。
 これを焙煎(ばいせん)、粉砕したあと、ペースト状に煮つめ、脂肪分を除いて粉末にしたのがココア。ペーストに香料や糖分などを加え、固形にしたものがチョコレートです。
 カカオの原産地であるアメリカ大陸の熱帯地域では、カカオ豆をすりつぶしてスパイスを加えた飲みものが、スタミナ源として古くから珍重されてきました。16世紀になると南米を侵略したスペイン人が、カカオ豆をヨーロッパに紹介しました。
 さらに、19世紀はじめにオランダ人のバン・ホーテンが、今日のような粉末のココアを開発。
 19世紀後半にはスイスで板チョコの製法が開発され、ココアとチョコレートが明確に区別されるようになりました。
 日本にココアが入ってきたのは、江戸時代の長崎が最初といわれます。
〈各種のビタミン、ミネラルに加え、ポリフェノールも非常に豊富〉
○栄養成分としての働き
 ココアは嗜好飲料(しこういんりょう)のなかでも非常に栄養価の高いのが特徴で、たんぱく質、脂質、糖質、カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、食物繊維などを豊富に含んでいます。
 そのおもな効用は、疲労回復、動脈硬化、高血圧、血栓症(けっせんしょう)、貧血、情緒不安定、便秘(べんぴ)、肥満の予防や解消など。
 それに加えて、ココアには活性酸素を中和するポリフェノールが極めて豊富で、細胞の老化、生活習慣病の予防にも効果的です。
 また、特有のほろにがさのもとであるテオブロミンは、自律神経の働きを調整して気持ちをリラックスさせ、睡眠障害の解消に有効。さらに、最近の研究では、病原性の大腸菌O(オー)―157や胃潰瘍(いかいよう)の原因となるピロリ菌への抗菌効果も認められており、感染症の予防という観点でも、注目を集めつつあります。

《調理のポイント》


 ココアには、脱脂したカカオ豆のペーストを溶けやすい粉末にしたピュアココアと、ピュアココアに粉乳や香料などを加えたミルクココアがあります。
 ピュアココア、ミルクココアともに、粉末を少量の熱湯で溶かし、あたためた牛乳を加えて飲むのが一般的な飲み方。
 このとき、風味よく仕上げるには、粉末を熱湯で溶いたあと、弱火で焦がさないよう4~5分加熱してやるのがポイント。
 また、ケーキやクッキー、ババロアなどに使うほか、中南米諸国には、ココアに香辛料を加えてつくったソースで鶏肉や豚肉を煮込んだ料理があります。
 保存する場合は、湿気を吸うと風味がそこなわれるので、密閉容器を使い、冷蔵庫に入れるようにしましょう。
 ところで、ココアと同じくカカオ豆を原料とするチョコレートも、おもな栄養・効用はココアと共通です。
○注意すべきこと
 ただ、チョコレートは35~40%もの脂質を含んでおり、肥満や脂質異常症の原因になるのが難点(ココアは粉末状態で約20%)。
 また、ココアもチョコレートも結石の原因になるという説もあります。そうしたことから、飲みすぎ、食べすぎは避けるようにしましょう。

出典 小学館食の医学館について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ココア【cocoa】

嗜好飲料の一種。カカオ樹の実すなわちカカオ豆を焙炒(ばいしよう)し,殻を除き,圧搾して脂肪分(カカオバター)を除いて粉末にしたもの。ココア製造過程でカカオバターを除かず,香味料や砂糖を加えたものがチョコレートである。16世紀のころアメリカ大陸からヨーロッパに伝えられ飲用されるようになった。19世紀になってオランダのバン・ホーテンVan Houtenによりカカオ豆から脂肪分を減じ,水に溶けやすいココアの製法が発明された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ココア【cocoa】

カカオ豆を炒って皮などを除き、すりつぶしたものからカカオバターを除いて粉にしたもの。また、これを湯で溶き砂糖などを加えた飲料。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

飲み物がわかる辞典の解説

ココア【cocoa】


カカオ豆(カカオの種子)を飲料用に加工したもの。また、これを湯や温めた牛乳に溶かして砂糖などを加えた飲み物。カカオ豆を粉砕して皮などを除き、いってすりつぶしたものを圧搾してある程度の脂肪分(カカオバター)を分離し、脱脂後にひいて細かい粉にする。軽い興奮作用をもつテオブロミンが約1.8%含まれる。◇脱脂せず、分離したカカオバターに砂糖を加えて練りかためたものがチョコレート。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ココア
ここあ
cocoa

カカオの種子(カカオ豆)を炒(い)ってすりつぶし、脂肪の一部を除いたあと粉砕したもの。ココアということばはカカオcacaoからきたもので、カカオはアステカ人(メキシコ)のカカウァトルが語源である。ココアは、アメリカ大陸「発見」以前からメキシコ先住民の間で飲まれていた飲料で、木(または実)をカカウァトル、実を砕いてどろどろにした黒い飲料をチョコラトルと称していた。この飲料はスペイン人エルナン・コルテスによって16世紀の初めごろヨーロッパへ紹介された。1828年オランダのバン・ホーテンCoenraad Johannes Van Houten(1801―87)が、カカオ豆の脂肪分を減らして、水に溶けやすい粉末を発明し、ココアの名前で売り出したのが、現在一般に飲まれているココアの始まりである。バン・ホーテンはココアの代名詞のごとく世界中に知られているが、そのほか、ネスレ(スイス)、ハーシー(アメリカ)、キャドブリ(イギリス)、ペンス・ドーフ(オランダ)などの銘柄がある。[河野友美・大滝 緑・山口米子]

製造

木から切り落とした果実は殻の中に種子(豆)が詰まっているので、それを取り出し、豆の周囲に付着している果肉を発酵乾燥して取り除く。果肉は多汁質なので、そのまま置くと腐敗する。この乾燥した種子がカカオ豆である。
 ココアをつくるのには、この豆を褐色になるまで焙焼(ばいしょう)する。焙焼は風味に非常に関係するのでいちばんだいじな工程となっている。次に粉砕して種皮を除去し、残ったものだけをひいて、どろどろにする。これがカカオマスで、チョコレートの主原料となる。ココアはカカオマスに圧力を加えて脂肪分(カカオバター)を一部除き、残りを微粉砕して乾燥したものである。ココアには軽い興奮作用をもつテオブロミンが2%近く含まれている。また、カフェインもわずかに含む。[河野友美・大滝 緑・山口米子]

いれ方

ココアには、何も加えていないピュアココア(純ココア)、粉乳を配したミルクココア、砂糖、粉乳などを合わせ、かつ溶けやすくしたインスタントココアなどの調整ココアがある。ピュアココアでは、鍋(なべ)にココアを入れ、熱湯をすこしずつ加えながらペースト状になるまで練る。これに砂糖を加え軽く混ぜ合わせて中火にかけ、2~3分間攪拌(かくはん)しながら煮て、つやが出てきたら牛乳を注いでさらによく混ぜ、沸騰する直前に火からおろし、泡立てた生クリームを加えて供する。ピュアココアはタンパク質19%、脂肪22%、炭水化物42%を含み、鉄、亜鉛など無機質、ビタミンB類、食物繊維なども豊富である。クリームや牛乳、砂糖を加えた飲料のココアは高エネルギーで栄養価が高い。[河野友美・大滝 緑・山口米子]
『福場博保・木村修一・板倉弘重・大澤俊彦編『チョコレート・ココアの科学と機能』(2004・アイ・ケイコーポレーション)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のココアの言及

【カカオ】より

…これを乾燥したものをカカオ豆といい,焙煎(ばいせん)して種皮を去り,粉末にして砂糖・ミルク・香料などを加え,押し固めてチョコレートを作る。粉末を圧搾して脂肪を去ったものがココアcocoaである。得られた油がカカオバターで,人間の体温ほどで液化し,マーガリン,ポマード,医薬に用いる。…

【カカオ】より

…これを乾燥したものをカカオ豆といい,焙煎(ばいせん)して種皮を去り,粉末にして砂糖・ミルク・香料などを加え,押し固めてチョコレートを作る。粉末を圧搾して脂肪を去ったものがココアcocoaである。得られた油がカカオバターで,人間の体温ほどで液化し,マーガリン,ポマード,医薬に用いる。…

【チョコレート】より

…1657年にはロンドンに住むフランス人がチョコレートを売り出し,おりから出現しつつあったコーヒー・ハウスでもチョコレートを飲ますようになったが,チョコレート・ハウスのほうが高級とされ,ヨーロッパ全域でも同様の店が開店した。しかし生産が本格的に工業化したのは19世紀になってからで,1828年にオランダのバン・ホーテン社ではカカオ豆からココアバターの大半を分離することによって,それまでの高脂肪,不均質で消化の悪かった欠点を克服して粉末チョコレート(現在のココア)の特許をとり,また各国でも製法の改良が行われた。47年にイギリスのフライ社がカカオにココアバターと砂糖を加え,そのまま食べられるチョコレートを製造,ついで75年にはスイスのD.ピーターがネッスル(ネスレ)社の粉乳を混入したミルクチョコレートを発表し,現在のチョコレートの基本ができ上がった。…

※「ココア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

ココアの関連情報