コレージュドフランス

デジタル大辞泉 「コレージュドフランス」の意味・読み・例文・類語

コレージュ‐ド‐フランス(Collège de France)

1530年、フランソワ1世が人文的教養振興のためにパリに創設した高等教育機関。講義公開で、聴講は自由であるが、修了証書は授与しない。

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精選版 日本国語大辞典 「コレージュドフランス」の意味・読み・例文・類語

コレージュ‐ド‐フランス

(Collège de France) フランス国立の高等教育機関。一五三〇年、フランソワ一世が人文的教養振興のためにパリに創設した王立教授団に始まる。講義は著名な大学教授文化人によって行なわれ、きわめて高度の内容をもつ。試験はなく、修了資格も授与しない。

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改訂新版 世界大百科事典 「コレージュドフランス」の意味・わかりやすい解説

コレージュ・ド・フランス
Collège de France

フランス文部省直轄の高等教育機関。フランソア1世人文主義者のギヨーム・ビュデ進言を入れて,1530年3月,王立教授団という名の下に創設した。当初は5人の講師しかおらず,ヘブライ語(2人),ギリシア語(2人),数学(1人)を教えた。中世以来のスコラ学が支配するパリ大学に対抗して,大学のカリキュラムから締め出された古典語,自然科学を講じ,人文主義の思想を普及させることが主たる目的だった。大学からの圧力が及ばないように行政上の自治・独立を保証され,その後規模も拡大して,ラテン語,哲学,医学といった新しい教科が増えた。名称も変わり,大革命期の国民学院,ナポレオン時代の帝国学院をへて,第三共和政以後現在の呼称に落ち着いた。創立期の精神は今なお健在で,講義は無料で一般公開,受講に際しては登録手続がなく,したがって試験も行われず,免状も交付されない。教授はコレージュ教授団とフランス学士院の発議に基づいて国家元首が任命し,目下研究中のテーマをまったく自由に講ずることができる。つねに当代最高の学者教壇に立ち,19世紀以降を見ても,エジプト学シャンポリオン,聖書学のルナンをはじめ,ベルグソン,バレリーなど,そうそうたる顔ぶれである。1980年代に入ってからは,ギリシア学のジャン・ピエール・ベルナン,人類学のレビ・ストロース,哲学のミシェル・フーコーの講義が名高い。現在,教科は3種あり,数学・物理学・自然科学部門,哲学・社会学部門,歴史学・言語学・考古学部門に分かれる。50を超える講座には平均3000人の受講者があるが,一般公開にせよ講義内容はきわめて高度で,聴衆の大部分は学生や研究者であることが多い。なお,《コレージュ・ド・フランス年鑑》が刊行され,担当教授による講義内容の要旨が掲載されるならわしになっている。
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