日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャンポリオン」の意味・わかりやすい解説
シャンポリオン
しゃんぽりおん
Jean François Champollion
(1790―1832)
フランスの言語学者、考古学者。ロゼッタ石を用いてヒエログリフ(エジプト象形文字)を解読したことで知られている。ロート県フィジャック市で生まれ、グルノーブルでヘブライ語を、ついでアラビア語、シリア語、コプト語を学んだ。ナポレオンのエジプト遠征によって古代エジプトに関心をもち、16歳でエジプトに関する著述に着手し、のちにパリに出てエジプト研究を続けた。18歳のときグルノーブル大学歴史学科助教授となったが、このころから健康を損ない、また政治的な争いに悩まされた。1821年にふたたびパリに出てヒエログリフの研究を続け、ロゼッタ石によってその解読に成功し、1822年9月に『ダシエ氏への書簡』という題でパリの学士院で報告した。こののちエジプトとヌビアを旅行し、古代エジプト語の文法を書いたが、生来病弱のために41歳で没した。
[矢島文夫 2018年6月19日]