トーキー映画フィルムの端にある録音帯。光学トラックと磁気トラックの2種類がある。光学トラックには、音声信号に応じて帯の面積を変化させる面積式と、帯の濃淡を変える濃淡式(密度式)の別がある。磁気トラックはフィルムの端に磁性粉を塗布したもので、テープレコーダーと同様に音声信号が録音される。光学トラックの再生はエキサイタ・ランプとよばれる光源からの光をトラックに当て、その透過光をホトトランジスタやホトダイオードなどで受け、その電流変化を増幅して音声信号を得る。磁気トラックではテープレコーダーと同じく再生ヘッドを用いて音声信号を得る。磁気トラック方式は光学方式よりプリントが複雑であるが、収録が簡単なため8ミリメートル、16ミリメートル、35ミリメートルの各映画フィルムに使用される。光学方式はプリント費が安いこと、再生時の安定性のよいこと、周波数特性が改善されたことなどの理由で、ステレオ効果を重視する映画に採用されている。デジタル技術の発達により、各種のデジタル方式サウンドトラックが使われるようになった。デジタル方式サウンドトラックを含めたサウンドトラックのより詳しい解説については「光学録音」の項目を参照されたい。なお、サウンドトラックは本来は映画用語であるが、映画、テレビ、ゲームソフトなどの作品中の音楽をまとめて収録したアルバムを、サウンドトラックまたは略してサントラとよぶこともある。
[金木利之・吉川昭吉郎]
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[起源]
映画のために作曲,または選曲,編曲されてフィルムのサウンド・トラック(録音帯)に録音された音楽およびそれをレコード化したもの,演奏用に編曲したものを総称して映画音楽といっているが,サイレント映画にも音楽がなかったわけではない。1892年から10年間も続いたエミール・レノーの〈テアトル・オプチック〉と呼ばれたアニメーション映画の世界最初の長期連続興行のときからピアノ伴奏がついており,以来,〈伴奏音楽〉として,あくまでも映画のエモーションをかきたてるための補助的な役割にすぎなかったとはいえ,生の伴奏音楽をつけて上映するのが映画興行のしきたりとなった。…
※「サウンドトラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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