サナエトンボ(英語表記)Gomphidae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サナエトンボ
Gomphidae

トンボ目サナエトンボ科に属する昆虫の総称。中型ないし大型のトンボで,ヤンマに近縁の科である。体は黒色で黄色の斑紋がある。前翅の三角室は前辺の長い直角二等辺三角形であるが,後翅のそれはやや横長である。雄の腹部末端が左右に広がっているものが多く,また雌の産卵器は退化している。複眼は広く離れている。大型種にはコオニヤンマ Sieboldius albardaeやウチワヤンマ Ictinus clavatusなどのように「ヤンマ」の名で呼ばれているものもあるが,ヤンマやオニヤンマでは複眼が相接するかわずかに離れる程度なので,区別することができる。 (→トンボ類 )

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百科事典マイペディアの解説

サナエトンボ

サナエトンボ科のトンボ,またはサナエトンボ科の総称。前者はコサナエトンボともいわれ,体長40mm内外,黒地緑黄色の斑紋がある。晩春〜初夏の早苗取りのころに発生するのでこの名がある。日本全土に分布。後者は日本に約30種,いずれも黒地に緑黄色斑があり,オニヤンマに似るが,水平に止まる。

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世界大百科事典 第2版の解説

サナエトンボ

トンボ目サナエトンボ科Gomphidaeの昆虫の総称。春期に羽化する種類が多いのでこの和名があるが,日本では早苗とりの時期よりも早く出るものや盛夏に現れる種類が少なくない。いずれも黒色と黄色の体斑をもつ体のがんじょうなトンボである。停水に育つ種類(コサナエ,ウチワヤンマ)もあるが,大部分は流水の砂れき底や泥土の中に育ち,羽化後の成虫は2~3週間を樹上で過ごし,体が成熟してから水辺に飛来する。雌の産卵器は弁状に単純化し,卵は水中や湿土中に散布される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サナエトンボ
さなえとんぼ / 早苗蜻蛉

昆虫綱トンボ目サナエトンボ科Gomphidaeに属する昆虫の総称。いずれも体に黒色と黄色の斑紋(はんもん)をもつ種類である。幼虫は停水に育つものも若干あるが(コサナエ、ウチワヤンマなど)、大部分は流水の水底の砂礫(されき)や泥土の中で育つ。春季に羽化するものが多く、成虫は羽化後2、3週間は樹上にいて摂食活動をし、体が成熟してから水域に飛来する。雌の産卵器は弁状に単純化し、卵は水中や湿土中に散布される。幼虫期間は3~5年を要する。この科は世界に広く分布するが、ニューギニア島地域にはわずか1種あるにすぎない。日本産の大形種にはウチワヤンマ、コオニヤンマがあり、中形種にはヤマサナエ、ミヤマサナエ、オナガサナエ、アオサナエ、メガネサナエ、ホンサナエなどがあり、小形種にはコサナエ、ダビトサナエ、ヒメクロサナエ、オジロサナエなどがある。大部分は春季に羽化出現するが、夏季に現れるものにメガネサナエ、ナゴヤサナエ、オオサカサナエ、ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、ミヤマサナエがあり、このうち最後の2種を除いた4種は泥底の湖水や大河の生息者である。[朝比奈正二郎]

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