サルモン(その他表記)Salmon, André

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サルモン」の意味・わかりやすい解説

サルモン
Salmon, André

[生]1881.10.4. パリ
[没]1969.3.12. サナリ
フランスの詩人,小説家,美術評論家。キュビスムシュルレアリスムなどの前衛運動を熱烈に支持し続け,その作品には現代世界の驚異動揺格調高く歌われている。主著はロシア革命を扱った長詩『議事日程』 Prikaz (1919) や詩集『信頼』 Créances (26) など。ほかにセザンヌピカソドランらについての美術評論,20世紀前半の美術界,文学界の消息を詳しく伝える回想録『終りなき回想』 Souvenirs sans fin (55~61) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サルモン」の意味・わかりやすい解説

サルモン
さるもん
André Salmon
(1881―1969)

フランスの詩人。アポリネールらと立体派の運動に参加。初期作品を集めた『信用状』(1916)から『母音発声練習』(1960)まで多くの詩集は、新しい旋律をなかば伝統的な唱法で歌った現代の叙情歌である。『帽子の中にあった原稿』(1919)などの小説のほか、『現代芸術』(1920)、『ドラン』(1922)など近代画家についての著述が多い。『はてなき回想』(1955~61)はピカソ、モディリアニらの素顔を伝える当時の文壇画壇の重要な資料である。

[曽根元吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android