シェトランド諸島(読み)シェトランドショトウ(その他表記)Shetland Islands

翻訳|Shetland Islands

デジタル大辞泉 「シェトランド諸島」の意味・読み・例文・類語

シェトランド‐しょとう〔‐シヨタウ〕【シェトランド諸島】

Shetland》英国スコットランド北東にある諸島。大小約100の島からなる。牧羊羊毛加工業が盛ん。小型の馬シェトランドポニー産地

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精選版 日本国語大辞典 「シェトランド諸島」の意味・読み・例文・類語

シェトランド‐しょとう‥ショタウ【シェトランド諸島】

  1. ( シェトランドはShetland ) イギリス最北端の諸島。スコットランドの北方にあり、アンスト、イエル、フェトラーなど大小約一〇〇の島からなる。一四七一年までノルウェー領であった。漁業、牧羊を主とする。主要都市はメーンランド島ラーウィック

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェトランド諸島」の意味・わかりやすい解説

シェトランド諸島
シェトランドしょとう
Shetland Islands

イギリススコットランドの北岸沖約 200kmにある島群。単一自治体(カウンシルエリア council area)。別称ゼトランド Zetland。行政府所在地ラーウィック。旧シェトランド県。イギリスの北端をなす島群で,南北約 80kmにわたって延びる主島メーンランドを中心に約 100の島からなる。このうち人が住むのは,主島のほか,イェル島,アンスト島,フェトラー島,ブレッセー島,ホールセー島など約 20の島である。全体に樹木が少なく荒涼としているが,沿岸にはボー voeと呼ばれる峡湾が,内陸には氷食湖が発達し,美しい景観を示すところも多い。年間を通して風が強いが,暖流である北大西洋海流の影響で緯度のわりに温暖。早くから人が住み,先史時代の遺跡が多く,主島南部では 7~8世紀のキリスト教布教時に建設されたと考えられる聖堂の遺跡も発掘されている。8~9世紀にノール人が侵入し,その後 15世紀まで島々を支配。1469年スコットランド王ジェームズ3世の妃に迎えられたデンマーク王女マルグレーテの持参金の抵当とされたのち,1472年に抵当流れのかたちでスコットランド領となった。しかし,本土から遠く離れていたため,その後も長くノール人の習俗が保たれ,今日まで続いているものもある。概して土地がやせているため農耕に適さず,わずかな可耕地はクロフターと呼ばれる零細小作農によって耕作されるが,クロフターは耕作と並行して共有の放牧地で牧羊を行なう。羊毛が農民の主要収入源となっており,その羊毛を原料とした毛糸や編み物,織物は「シェトランド」の名で知られる。ニシンタラなどの漁業も重要。また北海油田で働く人々の保養地となっており,関連施設も多い。小型のウマシェトランド・ポニー,小型の使役犬シェトランド・シープドッグの原産地。面積 1468km2。人口 2万1880(2006推計)。

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改訂新版 世界大百科事典 「シェトランド諸島」の意味・わかりやすい解説

シェトランド[諸島]
Shetland Islands

イギリス,スコットランド北東沖の北緯60°付近にある諸島。古ノルウェー語で〈突き出た土地〉を意味し,1974年まで公式にはゼトランドZetlandと呼ばれた。南北約150kmの細長い群島をなし,主島メーンランド島のほか,イェル,アンスト,フェトラーなど約100の島々から構成されるが,その80%以上が無人島で,総面積1427km2,人口2万2000(2006)。地形は全般に丘陵性で,最高点のロナス・ヒルでも450mである。気候が冷涼で荒涼たる泥炭地が卓越するため,主産業はクロフト(小作)制度による牧羊で,〈シェトランド〉や〈フェア・アイル〉と呼ばれる毛糸編み製品が名高い。このほかオート麦・大麦の栽培や牛,シェトランド小馬の放牧もみられる。かつてのニシン漁や捕鯨の基地で,現在はタラ漁が盛んである。夏の観光業も重要で,また北海のブレント油田などからのパイプラインがメーンランド島のサロム湾まで通じ,原油基地となっている。

 定住の歴史は古く,ストーン・サークル(環状列石)やピクト人の円塔要塞が残るが,8世紀ごろにノルウェー人が植民,今も住民や言語,慣習にスカンジナビアの影響をとどめる。1472年スコットランドのジェームズ3世と結婚したデンマーク王女マルグレーテの持参金としてスコットランド領となった。現在,イギリス最北端のシェトランド州をなし,メーンランド島中部の州都ラーウィックLerwickが商業・漁業の中心である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェトランド諸島」の意味・わかりやすい解説

シェトランド諸島
しぇとらんどしょとう
Shetland Islands

イギリス、スコットランド北端、オークニー諸島の北東約80キロメートルに位置するイギリス最北端の諸島。スコットランドの一県をなす。ゼトランドZetlandともいう。大小100余の島からなるが、大半は不毛で、居住地となるのは21島にすぎない。メーンランド、イエル、アンストなどが大きな島で、総面積1466平方キロメートル、人口2万1988(2001)。中心都市はメーンランド島のラーウィク。ニシン、タラ、マスなどの漁業、牧羊などが行われてきた。8、9世紀~15世紀にノルウェー領であったので、スカンジナビア系の遺跡や風習が残っている。1472年にスコットランド領となった。島の大部分は北緯60度以北にあり、夏季には白夜が楽しめるので観光地となっている。また、北海油田最北部のマグナス、ブレンド両油田からの原油パイプラインが島中央部のフォーイまで延び、油田開発の前進基地ともなっている。

[小池一之]

『藪内芳彦著『島――その社会地理』(1972・朝倉書店)』

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世界大百科事典(旧版)内のシェトランド諸島の言及

【イギリス】より

…こうした自然のため不毛地が広く,粗放的牧羊とエンバクの栽培がみられるにすぎない。またヘブリディーズ諸島など周辺島嶼も漁業と牧羊を中心とする過疎地域であったが,北海油田の開発に伴ってシェトランド諸島,オークニー諸島には原油基地が建設され,地域開発が推進されている。(2)中部 南北を断層線で画された低地帯で,スコットランドの政治・経済の中心地をなす。…

※「シェトランド諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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