翻訳|Zion
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キク科の多年草。日本では古く平安時代より庭植えにして観賞され,また切花としても用いられるほか,その根は薬用として利用されている。変種に矮性(わいせい)のコジオンがある。高さ1.5~2mぐらいの茎を直立させ,秋に茎上に径2.5cmほどの藤紫色の頭状花を散房花序をなして咲かせる。葉は先のとがる長楕円状の披針形で大きく,根生するが,茎葉は小型で互生する。朝鮮からシベリア,モンゴルにかけて分布し,日本でも九州や中国地方に野生しているが,本来の野生品か,導入されたものが野生化したものかは,はっきりしない。繁殖は株分けにより,一般には3~4月に行う。生育中に1~2回追肥する程度でよく,茎は長く伸びるが,強直で,支柱を立てる必要はない。薬用として鎮咳(ちんがい),去痰に利用され,根を煎じて服用する。コジオンは草丈50~60cm。きわめてじょうぶな耐寒性宿根草で,向陽地であればどこでもよく育つ。
またシオン属Asterには,花屋でシロクジャクまたはクジャクソウと呼ばれるものがある。高さ1.5m以上,茎は木質化し,よく分枝する。夏~秋,枝先に径1.5cmほどの白い頭花を多数つける。
執筆者:柳 宗民
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… 前4千年紀から居住の形跡が見られ,中期青銅器時代には町が形成された。前1000年ころ,ダビデ王が,エブス人が支配していたエルサレム南東の丘の要害シオンを征服して新しく〈ダビデの町〉と名づけた。エルサレムは統一されたばかりのイスラエル王国の首都となった。…
… 前13世紀末に,イスラエル人はカナンに侵入して〈約束の地〉に定着したが,前1000年ころ,ユダ族出身のダビデが王となり,シリア・パレスティナ全域にまたがる大帝国を建設し,エルサレムを首都に定めた。その子ソロモンが,エルサレムのシオンの丘に主の神殿を建立すると,主はダビデ家をイスラエルの支配者として選び,シオンを主の名を置く唯一の場所に定める約束をした,と理解された(〈ダビデ契約〉)。ここから,〈メシア〉(原義は〈即位に際して油を注がれた王〉)が,世の終りにダビデ家の子孫から現れるという期待と,エルサレム(シオン)を最も重要な聖地とする信仰が生じた。…
※「シオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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