ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
シオニズム
Zionism
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翻訳|Zionism
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(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)
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19世紀末、ヨーロッパで始まったユダヤ人国家建設を目ざす思想および運動。シオンは聖地エルサレム南東にある丘の名。ユダヤ人がその地を追放されて離散の歴史をたどるという『旧約聖書』の記述中の「シオンの地」は、宗教的迫害を味わってきたヨーロッパのユダヤ教徒にとって解放への希求とあわさって象徴的意味をもっていた。19世紀後半、帝政ロシアを中心に高まってきたユダヤ教徒迫害(ポグロム)の嵐(あらし)のなかで、シオンの地という宗教的象徴性に「ユダヤ人」国家という現実的領土の概念を重ね合わせるシオニズムが誕生した。ユダヤ民族国家実現への取り組みは1897年、ハンガリー出身のテオドール・ヘルツルTheodor Herzl(1860―1904)によって準備された、スイスのバーゼルにおける第1回世界シオニスト会議で具体化した。同会議は、「ユダヤ民族のためにパレスチナに公法で認められた郷土(国家)を建設する」ことを決議した。第一次世界大戦中の1917年、パレスチナにおけるユダヤ人の郷土建設に対する保障(バルフォア宣言)をイギリスから引き出したシオニズムは、パレスチナがイギリス委任統治領となる1920年以降、ユダヤ人入植を推進した。30年代、ナチズムのユダヤ人虐殺は入植に拍車をかけ、一方、現地パレスチナでは、シオニスト機関によって、非ユダヤ教徒アラブ住民に対する土地没収や労働機会の締め出しが推し進められ、シオニズム勢力とアラブとの対立はイギリス委任統治を動揺させるほど激化した。
1940年代に入りシオニズムは、アメリカの支援をよりどころに、ユダヤ人国家承認に向けて国際的根回しを図り、47年、イギリス委任統治終了後のパレスチナにユダヤ人、パレスチナ人双方に主権を与えるという国連パレスチナ分割決議を手にした。48年5月15日、イギリス委任統治終了の翌日にイスラエル国家が樹立され、シオニズムは目的を達成した。建国に先だち、シオニズム武装組織はアラブ住民に対するテロ・虐殺を行って人々を逃亡へと駆り立て、「無人化」したアラブ村落を併合し、ユダヤ人国家の膨張を企てた。そうした企ては、ユダヤ教徒以外を容認しない宗教的排他的民族主義であるシオニズムの当然の帰結であった。シオニズムはイスラエル建国後も国家イデオロギーの支柱であり続ける。それは、シオニスト改訂派(後のリクード)のような、「イスラエルの地(エレツ・イスラエル)回復」という宗教的熱狂に駆り立てられ、武力によって際限なく領土拡張意欲を満たそうとする運動潮流において典型的である。
[藤田 進]
『板垣雄三編『ドキュメント現代史13 アラブの解放』(1974・平凡社)』
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… 17年11月のバルフォア宣言は,パレスティナにユダヤ人の民族的郷土(ナショナル・ホーム)を樹立する計画に対し,イギリス政府が支持を与えるものであったが,パレスティナの地域的枠組みは,同宣言を実行すべき場として,むしろ後から組み立てられたものなのであった。ここからパレスティナをエレツ・イスラーエール(イスラエルの地)として理解する立場も生じるが,シオニスト改訂派をも含むシオニズム運動が聖書における神の〈約束〉に依拠して,その〈約束の地〉(《創世記》12:7,13:15,15:18,28:13)の範囲を現代国際政治における領域問題として議論しようとする傾向をすらもったことにより,パレスティナの範囲はそれ自体20世紀の政治的争点となる。しかし,イギリスによるパレスティナ委任統治(1922‐48)がこうして設定したパレスティナの地域的枠組みを前提として,パレスティナ人という存在や,さらにやがてパレスティナ民族主義が成立してきたのであった。…
…シオニズムと社会主義の統合をめざす労働者シオニズム運動の理念上の先駆者。ウクライナに生まれ,若くしてロシア社会民主党に入党するが,やがて離党してシオニズム運動に参加し,その内部にユダヤ人労働者社会主義民主党(ポアレ・シオンPoale Zion)を創立する上で重要な役割を果たす。…
…19世紀後半,帝政ロシア末期の混乱の中で,ユダヤ人を無差別に殺戮(さつりく)するポグロムが広がったため,多数のユダヤ人がアメリカに逃げた。同時に,ユダヤ民族主義シオニズムが勃興し,それをT.ヘルツルが政治運動に組織した。第1次大戦後,ヒトラーのナチス・ドイツは,組織的アンチ・セミティズム政策により,ユダヤ人600万人を殺戮した。…
※「シオニズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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