シャカ(ズールー人の王)(読み)しゃか(英語表記)Shaka

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シャカ(ズールー人の王)
しゃか
Shaka
(1787ころ―1828)

南アフリカズールー人の王。18世紀末、小部族であったズールーの王の息子として生まれたシャカは、父センザンガコナに背いて故郷を離れ、当時一大勢力を誇っていたムセスワ人首長ディンギスワヨのもとで成長した。そこで軍事的訓練を受けたのち、故郷に戻りズールーの王となった。彼はズールーの軍事組織と武器を改革し、また「牛の角」とよばれる戦闘隊形を使って強大な軍事王国をつくりあげた。シャカがその軍事力を使って周辺の諸部族を統合していく時期(1820~28)は「ムフェカネ(衝突)」の時代とよばれている。まずムセスワ人を統合し、ついでヌドワンドウェ人を破りナタール一帯を併合した。1824年にはポート・ナタール(現在のダーバン)のイギリス人と友好関係を結び鉄砲を入手した。そして26~27年にはふたたびヌドワンドウェ人、ベジェ人と戦い勝利を収めた。しかし28年弟のディンガネとムハランガナによって暗殺された。

[林 晃史]

『マジシ・クネーネ著、土屋哲訳『偉大なる帝王シャカⅠ・Ⅱ』(1979・岩波書店)』

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