ズールー王国(読み)ずーるーおうこく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズールー王国」の意味・わかりやすい解説

ズールー王国
ずーるーおうこく

19世紀に南アフリカナタール地方に興ったズールーZulu人の王国。19世紀初頭、小部族であったズールーの王シャカは、優れた戦闘能力と軍事組織をもち、周辺の諸部族を征服統合して強大な軍事王国を築いた。シャカShakaは1828年弟のディンガネ(在位1828~40)に殺された。ディンガネはナタールのイギリス人と友好関係を結び、移動してきたブーア人のレティーフ一行を38年虐殺したが、後続のA・プレトリウス一行により「血の河の戦い」で大敗し、40年、弟のムパンデによって退位させられた。ムパンデ(在位1840~73)はブーア人と協調し平和な時代が続いた。79年イギリス軍がズールー王国に侵入し、セテワヨ王(在位1873~84)を捕虜にした。イギリス併合後、ズールー王国は13の小部族に分割統治され、それに反対したディヌズールー王(在位1884~1913)はブーア人の援助で86年新共和国を建設したが、共和国はトランスバールに、残りのズールー王国は1897年ナタールに併合された。

[林 晃史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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