改訂新版 世界大百科事典 「シャンプラン」の意味・わかりやすい解説
シャンプラン
Samuel de Champlain
生没年:1570ころ-1635
フランスの地理学者,探検家。1603年,アンリ4世の命を受けて派遣されたフランスの探検隊とともにカナダに渡って以来,20年以上にわたって20回以上も大西洋を往復し,カナダ東部でのニューフランス植民地の建設に大きな役割を果たした。1603年には原住民からの聞取りによってナイアガラ滝を含む五大湖周辺の地理を明らかにし,05年には大西洋岸沿いにコッド岬まで南下して,ニューイングランド地域の正確な地図を初めて作成した。08年以降,現在のケベック市の中心街に砦を建設し,ヒューロン族と結んで,カナダにおけるフランスの権益の確立を図った。15年にはインディアンの生活様式に関する最古の報告書を作成。27年英仏戦争では敗れて一時カナダから去ったが,32年のサンジェルマン・アン・レー条約によってケベックなどがフランスに返還されたため,翌年カナダに赴き,35年,ケベックで没した。なお,1609年シャンプレーン湖を白人として初めて訪れたので,この湖に彼の名がつけられた。
執筆者:小野 有五
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報