ジェミニ計画(読み)ジェミニケイカク(英語表記)Gemini project

デジタル大辞泉 「ジェミニ計画」の意味・読み・例文・類語

ジェミニ‐けいかく〔‐ケイクワク〕【ジェミニ計画】

Gemini双子座の意》米国が行った有人宇宙飛行計画の一。1964~1966年、二人乗り宇宙船による地球周回飛行を行い、月飛行に必要なランデブードッキング船外活動、宇宙科学実験宇宙食宇宙服試験などをした。

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改訂新版 世界大百科事典 「ジェミニ計画」の意味・わかりやすい解説

ジェミニ計画 (ジェミニけいかく)
Gemini project

アメリカNASA(ナサ)の有人宇宙飛行計画。アメリカ最初の有人宇宙飛行計画であったマーキュリー計画アポロ計画との中間に位置していたため地味ではあったが,アポロ計画の準備的なものとして重要な役割を果たした。ジェミニ計画では,(1)2人の乗組員が2週間以上飛行する,(2)他の衛星とランデブー,ドッキングを行い,その方法を確立する,(3)ドッキングしたのち相手の宇宙船で移動する,(4)船外で人間が活動する,(5)帰還地点を制御する技術を確立する,(6)アポロ計画の訓練を行う,(7)科学技術の実験を行うなどが具体的な目的であった。ジェミニ計画に用いられたジェミニ宇宙船は,空気力学的形状はマーキュリー計画のものと同じであるが,乗組員が2人乗りになったため少し大きくなり,軌道上ではこれにマーキュリー宇宙船にはなかったアダプターがついて装備が増強された。ジェミニ計画をユニークなものにしたもう一つの新しい点は,地球に帰還するときに折畳式の翼で滑空して地上に着陸しようとする構想であった。しかし,これは事前に中止され,その成果はハンググライダーというスポーツとして残された。ジェミニ計画での有人宇宙飛行は,1965年3月23日のジェミニ3号が最初で,以後66年11月11~15日のジェミニ12号まで10回の飛行を行い,330時間の長期飛行(ジェミニ7号)やドッキング(8,10,11,12の各号)など,滑空着陸以外の目的を達成した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェミニ計画」の意味・わかりやすい解説

ジェミニ計画
ジェミニけいかく
Project Gemini

1人乗り衛星船のマーキュリー計画に続いて 1965~66年に行われたアメリカの2人乗りの衛星船打上げ計画。ジェミニは北天の星座ふたご座」のこと。アポロ計画の予備実験と乗員訓練を主たる目的とした。衛星船は釣鐘形で,高さ 3.35m,直径 2.28m,重さ 3.2t。衛星船内には地上の3分の1の気圧の酸素が詰められ,宇宙飛行士はそれを呼吸するようになっていた。打上げに使われたロケットは空軍が開発した2段式のタイタン II型。 64年に打上げたジェミニ1号は無人テスト,2号は失敗。初めて人間が乗ったのは 65年3月の3号。乗員は V.I.グリソム少佐と J.W.ヤング少佐。彼らは地球を3周して無事帰還した。同年6月の4号では,E.H.ホワイト少佐が 20分間の宇宙遊泳成功。 12月には W.M.シラー大佐らの6号が F.ボーマン少佐らの7号と,史上初めて 30cmの距離までランデブーに成功した。 66年3月の8号が標的のアジェナと初のドッキングに成功。続いて同年6月に9号が軌道に乗り,E.A.サーナン少佐が2時間5分という長期船外活動を行なった。同年7月の 10号は標的とのドッキングや宇宙遊泳に成功。同年9月の 11号では,アジェナとのドッキング後,宇宙メリーゴーラウンドで人工重力をつくり出した。 66年 11月の最後のジェミニ 12号は,ドッキングや2時間9分の宇宙遊泳など複雑な宇宙技術を確立した。

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百科事典マイペディア 「ジェミニ計画」の意味・わかりやすい解説

ジェミニ計画【ジェミニけいかく】

1964年―1966年に行われた米国のNASA(ナサ)による2人乗り有人衛星飛行計画。マーキュリー計画に続き,アポロ計画への準備的性格をもつ。3号(1965年3月)から有人飛行を行い,以降,12号(1966年11月)までに,軌道変更,長期飛行(最高7号の206周,330時間35分),ランデブー(6号と7号の間),ドッキング(8,10,11,12の各号),宇宙メリーゴーラウンド(11号),宇宙遊泳(4号のホワイト,9号のサーナン,11号のゴードン),船外活動(12号のオルドリン)など各種の実験を行って完了。
→関連項目タイタン

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