アメリカNASA(ナサ)の有人宇宙飛行計画。アメリカ最初の有人宇宙飛行計画であったマーキュリー計画とアポロ計画との中間に位置していたため地味ではあったが,アポロ計画の準備的なものとして重要な役割を果たした。ジェミニ計画では,(1)2人の乗組員が2週間以上飛行する,(2)他の衛星とランデブー,ドッキングを行い,その方法を確立する,(3)ドッキングしたのち相手の宇宙船で移動する,(4)船外で人間が活動する,(5)帰還地点を制御する技術を確立する,(6)アポロ計画の訓練を行う,(7)科学技術の実験を行うなどが具体的な目的であった。ジェミニ計画に用いられたジェミニ宇宙船は,空気力学的形状はマーキュリー計画のものと同じであるが,乗組員が2人乗りになったため少し大きくなり,軌道上ではこれにマーキュリー宇宙船にはなかったアダプターがついて装備が増強された。ジェミニ計画をユニークなものにしたもう一つの新しい点は,地球に帰還するときに折畳式の翼で滑空して地上に着陸しようとする構想であった。しかし,これは事前に中止され,その成果はハンググライダーというスポーツとして残された。ジェミニ計画での有人宇宙飛行は,1965年3月23日のジェミニ3号が最初で,以後66年11月11~15日のジェミニ12号まで10回の飛行を行い,330時間の長期飛行(ジェミニ7号)やドッキング(8,10,11,12の各号)など,滑空着陸以外の目的を達成した。
執筆者:長友 信人
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