スターリン憲法(読み)スターリンケンポウ(その他表記)Stalinskaya konstitutsiya

デジタル大辞泉 「スターリン憲法」の意味・読み・例文・類語

スターリン‐けんぽう〔‐ケンパフ〕【スターリン憲法】

1936年にスターリンを起草委員長として制定されたソ連憲法国営企業コルホーズなどからなる社会主義経済機構、労働権民族平等自治権などを定めた。

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精選版 日本国語大辞典 「スターリン憲法」の意味・読み・例文・類語

スターリン‐けんぽう‥ケンパフ【スターリン憲法】

  1. 一九三六年に制定されたスターリン指導下のソ連の憲法。一三章一四六条からなり、社会主義憲法の典型。一八年制定のロシア社会主義連邦ソビエト共和国憲法(レーニン憲法)を改正したもの。選挙権を全市民に拡大し、直接選挙制を採用。各級の勤労者代表ソビエトからなる国家機構、国営企業とコルホーズからなる社会主義経済機構、労働権、民族の平等、自治権を定めている。ソビエト社会主義共和国連邦憲法。

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改訂新版 世界大百科事典 「スターリン憲法」の意味・わかりやすい解説

スターリン憲法 (スターリンけんぽう)
Stalinskaya konstitutsiya

1936年12月5日に成立したソ連邦の憲法。スターリンの直接指導のもとに制定されたとして,当時このように呼ばれたが,スターリン批判後は,ソ連でも〈36年憲法〉と呼ばれている。内容的にも,当時のスターリンの理論と必ずしも一致しない規定があって,この呼称には強い異論がある。

 この憲法は,1930年代初頭に,ソ連において社会主義が基本的に勝利し,階級諸勢力の相互関係が変化したとの理解のうえに,過渡期の憲法とされていた1924年憲法の改正として提起され,制定されたものである。この憲法では,ソ連は,地主と資本家の権力打倒プロレタリアート独裁の獲得の結果,成長し強固となった勤労者代議員ソビエトをその政治的基礎とし,社会主義的経済制度および生産手段・生産用具に対する社会主義的所有を経済的基礎とする,労働者と農民社会主義国家であるとされた。また,すべての権力は,勤労者代議員ソビエトによって代表される都市と農村の勤労者に属する,と規定され,それまでの多段階,間接,不平等,公開投票という選挙制度を,普通,直接,平等,秘密の選挙制度に改めた。これらは,搾取階級の最終的な絶滅,労働者階級と農民の利益の基本的一致を前提としたものであった。ソ連邦最高ソビエトが,ひきつづき国家権力の最高機関とされたが,立法と執行の結合の原則は改められ,それぞれの機能が分離され,同時に裁判官の独立もうたわれた。労働者と農民の権利という把握から,市民の基本的権利・義務の規定に変わった。こうした憲法規定の諸特徴は,大枠としては,ブレジネフ期の1977年に成立したソ連憲法にもひきつがれた。
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百科事典マイペディア 「スターリン憲法」の意味・わかりやすい解説

スターリン憲法【スターリンけんぽう】

ソビエト連邦憲法の通称。社会主義の基礎の確立に対応して,ソ連邦成立後最初の1924年憲法に代わり1936年制定。スターリンの直接指導によって制定されたので,この名で呼ばれる。プロレタリアート独裁に基づき全権力を勤労者代表ソビエトに帰属させ,生産手段の私有を廃し,〈各人からはその能力に応じて,各人にはその労働に応じて〉という社会主義原則に立つ。〈勤労者の利益に従って〉という条件の下に市民的自由を保障し,各級国家機関の権限を中央集権的に規定。各構成共和国は同様の憲法をもっていた。スターリン死後,一部改正。1977年いわゆるブレジネフ憲法が採択された。ゴルバチョフ政権の下での一連の改革により,1988年12月と1990年3月に改正。とくに1990年の改正は,大統領制・複数政党制の導入を伴う大規模なものであった。その後も改正が重ねられたが,1991年9月以降ソビエト連邦自体の抜本的体制変更が起こり,新連邦条約の採択によってソビエト連邦憲法は失効した。
→関連項目憲法ソビエト連邦

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「スターリン憲法」の解説

スターリン憲法(スターリンけんぽう)
Stalinskaia konstitutsiia

1936年に制定されたソ連憲法。ロシア革命直後18年につくられたロシア社会主義連邦ソヴィエト共和国憲法は,「搾取者には権力機関のいかなる地位をも与えない」と規定し,資本家,地主,聖職者などの選挙権剥奪を定めていた。それに対して,社会主義社会が成立したとされる時期のこの憲法は,労働者,コルホーズ農民,勤労インテリゲンツィアよりなるソ連市民のすべてに平等な諸権利を認めている。各級の勤労者代表ソヴィエトよりなる国家機構,国営企業とコルホーズよりなる社会主義経済機構,労働権と民族の平等,自治権などが定められている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「スターリン憲法」の解説

スターリン憲法
スターリンけんぽう

1936年に制定された旧ソ連の憲法
普通・平等・直接の秘密選挙制を採用。労農・民族の平等権など,人民民主主義の理念にもとづき,世界最初の社会主義国家の組織を規定。候補者推薦制と共産党の一党独裁制は変わらず,プロレタリア独裁の憲法である。基本原則はブレジネフのもとでの1977年の改正憲法にも受け継がれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スターリン憲法」の意味・わかりやすい解説

スターリン憲法
スターリンけんぽう

「ソビエト憲法」のページをご覧ください。

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