日本大百科全書(ニッポニカ) 「スパムメール」の意味・わかりやすい解説
スパムメール
すぱむめーる
spam mail
不特定多数のメールアドレスに向けて一括送信される電子メールのこと。単にスパムspamともいう。受信側の承諾なしに、広告や勧誘といった営利目的のメールや無意味な情報のメールなどを大量に配信するもので、迷惑メールやジャンクメールjunk mailともよばれる。
スパムとは、本来はアメリカのホーメル・フーズ社Hormel Foods Corp.が提供する豚肉のハムの缶詰の商標であるが、スパムということばを使ったイギリスのモンティ・パイソンのコメディが元になったといわれる。その内容は、食堂に老夫婦がやってきて朝食を注文するが、どのメニューにも「スパム」が入っているという設定で、店主と老夫婦がやりとりするなかで、何度も「スパム」が繰り返される。そのうちに、まわりの人たちも「スパム」を連呼するというもの。うんざりするほど繰り返すことで笑いにつなげているのだが、そのイメージがうんざりするほど送られてくる迷惑なメールと重なって使われるようになった。同社からの要望もあり、缶詰は大文字でSPAM、迷惑メールはspamと小文字で表記する。なお日本では、スパムメールは通称「迷惑メール防止法」、正式名称「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(平成14年法律第26号)において罰則の対象となる。
[編集部]