化学辞典 第2版 「スフィンゴミエリン」の解説
スフィンゴミエリン
スフィンゴミエリン
sphingomyelin
動物体内に広く分布している代表的なスフィンゴリン脂質の一つ.セレブロシドとともに脳から発見された.とくに脳,腎臓,脊髄などに含まれ,糖脂質とともに存在する.RCOは直鎖脂肪酸(ステアリン酸,リグノセリン酸,ネルボン酸など)で,塩基部分は C18-スフィンゴシンが主成分である.組織をアセトンとエーテルで抽出し,グリセリド,ステロール,リン脂質を除く.続いて熱ピリジンで抽出し,溶媒を冷却すると結晶化する.混入したレシチンはシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して除くか,または37 ℃ でメタノール性水酸化カリウムと処理してレシチンを加水分解後分画再結晶する.白色の結晶.やや吸湿性.融点196~198 ℃.
+13.8°(ピリジン).クロロホルム,熱エタノール,熱ピリジンに可溶,エーテル,アセトン,メタノール,水,石油エーテル,冷アセトンに不溶.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報