コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

スミナガシ Dichorragia nesimachus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スミナガシ
Dichorragia nesimachus

鱗翅目タテハチョウ科。前翅長 32mm内外。翅表は暗緑色を帯びた薄墨色で,緑青色光沢をもち,細かい白色斑がある。に比べ翅に丸みがあるが斑紋は同じ。春型は夏型より小型で,前翅表外縁に並ぶ白色V字斑は二重 (夏型では一重) になる。成虫は年2~3回出現する。幼虫はアワブキヤマビワなどの葉を食べ,蛹で越冬する。本州以南の日本全土に産するが分布は局限され,関東地方以北ではまれである。国外では台湾,朝鮮,中国,ヒマラヤマレー半島インドネシアの島々などに広く分布する。なお,本州,四国,九州,屋久島,朝鮮に産するものは亜種で D. n. nesiotesという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

スミナガシ

鱗翅(りんし)目タテハチョウ科の1種。開張65mm内外,黒褐色,青銅色または青緑色の光沢があり,白斑がある。北海道を除く日本,朝鮮,中国,台湾〜インドに広く分布。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

スミナガシ【Dichorragia nesimachus】

鱗翅目タテハチョウ科の昆虫。開張は5.5~6.5cm。春型より夏型,雄より雌が大きいが,斑紋の差はほとんどない。熱帯を含む東アジアの特産。日本では暖地低山帯に多く,北海道には産しないが食樹さえあれば本州の高地北地にも分布する。その黒い翅が墨流しを連想させるところからこの和名がついた。雄の成虫は敏しょうに飛び,占有性を示し,雌も樹液,腐熟果にくるなど一般のタテハ類と変わらないが,口吻(こうふん)は紅色で他に類例がない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スミナガシ
すみながし / 墨流蝶
constable
[学]Dichorragia nesimachus

昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。日本では本州北部より南西諸島の八重山(やえやま)地方にまで分布するが、いずれの地方でも少なく、とくに東北地方北部ではまれとなる。国外では朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ地方、マレー諸島などに分布が広い。はねの開張65ミリメートル内外。和名は「墨流し」(昔の宮中などで行われた遊びの一種で、流水中に墨を流してその模様の変化を見て楽しむ)を思い起こさせるはねの模様に基づく。日本および近隣地域にはほかに本種に似たチョウはいない。普通1年に2回(5~6月、7~8月)発生し、樹液に飛来するが花にはこない。幼虫の食草はアワブキ、ヤマビワ、ミヤマホウソ、リュウキュウアワブキ、ヤンバルアワブキなどのアワブキ科植物。蛹(さなぎ)の状態で冬を越す。[白水 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

スミナガシの関連キーワードシマイサキ(縞伊佐木)白水

今日のキーワード

OAR

2018年の平昌五輪に国家資格ではなく個人資格で参加したロシア国籍の選手のこと。「Olympic Athlete from Russia(ロシアからの五輪選手)」の略。14年ソチ五輪での組織的なドーピ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android