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スロバキア文学 スロバキアぶんがく Slovak literature

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スロバキア文学
スロバキアぶんがく
Slovak literature

スロバキア語で書かれた文学作品の総称。チェコ語と密接な関係があるスロバキア語は,中世初期からチェコ語とは別に発展したが,18世紀までスロバキア文語を確立する系統だった試みは行われなかった。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スロバキア文学
すろばきあぶんがく

スロバキア語で書かれた文学。スロバキア語による文学創出の試みは18世紀末に始まる。それ以前はチェコ文学と一体化していた。1790年カトリック僧アントン・ベルノラークAnton Bernolk(1762―1813)が西部方言に基づいて文章語の規範を制定するが、ヤーン・ホリーJn Holl(1785―1849)など一部の詩人が創作に用いるにとどまった。その後1843年に民族運動の指導者リュドビート・シトゥールL'udovt tr(1815―56)によって中部言語に依拠する文章語が確立されると、ヤンコ・クラーリJanko Krl'(1822―76)、アンドレイ・スラートコビチAndrej Sldkovi(1820―72)、ヤーン・ボットJn Botto(1829―81)らヨーロッパのロマン主義的思潮、詩法に影響を受けた一群の詩人が陸続と佳作を発表し、スロバキア文学の地歩を固めた。1880年代、90年代になると詩のパベル・オルサーグ・フビェズドスラフ(1849―72)、散文のマルチン・ククチーンMartin Kukun(1860―1928)らが農村に生きる人々の姿をリアリスティックに描いた。20世紀初頭には象徴主義の詩人イワン・クラスコIvan Krasko(1876―1958)がモダニズムの扉を開く。
 二度にわたる世界大戦の間は、カトリック・モダニズムのルドルフ・ディロンクRudolf Dilong(1905―86)、プロレタリア詩のラジスラフ・ノボメスキーLadislav Novomesk(1904―76)、また表現主義的な手法を駆使して山間部の生活を綴(つづ)ったミロ・ウルバンMilo Urban(1904―82)、ヨゼフ・チーゲル・フロンスキーJozef Cger Hronsk(1896―1960)らさまざまな傾向が並存した。第二次世界大戦中には自然と人間の交歓、対決を叙情的な筆致で物語化したフランチシェク・シバントネルFrantiek vantner(1912―50)、マルギタ・フィグリMargita Figuli(1909―95)などに代表される叙情散文派(ナチュリズム)が台頭する。
 第二次大戦後はラジスラフ・チャシキーLadislav ak(1924― )、ウラジミール・ミナーチ(1922―96)の戦争文学のほか、社会主義体制を批判したドミンク・タタルカ(1913―89)やラジスラフ・ムニャチコ(1915―94)が活躍した。1968年以降の正常化体制のもとでは、ラジスラフ・バレクLadislav Ballek(1941― )、ビンセント・シクラVincent ikula(1936― )らの歴史小説、ヤーン・ヨハニデス(1934― )、ルドルフ・スロボダRudolf Sloboda(1938―95)などの内向的、実存主義的な小説が興隆をみる。89年の体制転換以降、イワン・カドレチークIvan Kadlek(1938― )やマルチン・シメチカMartin imeka(1957― )などかつての発禁作家が作品を発表している。
 日本では『遅れたレポート』(1953)をはじめとするムニャチコの諸作品のほかアルフォンス・ベドナールAlfonz Bednr(1914―89)の『時間と分』(1956)など、おもにスターリニズムの影響下における非人間的政治、社会状況を告発したノンフィクションや小説が翻訳紹介されている。[木村英明]
『大鷹節子著『チェコとスロバキア』(1992・サイマル出版会) ▽伊東孝之ほか監修『東欧を知る事典』(1993・平凡社) ▽沼野充義監修『読んで旅する世界の歴史と文化――中欧』(1996・新潮社) ▽南塚信吾編『ドナウ・ヨーロッパ史』(1999・山川出版社)』

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