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ズミ Malus sieboldii

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ズミ
Malus sieboldii

バラ科の落葉低木または小高木。本州中部以北から北海道の山地や湿地のへりなどに多い。枝はやや下垂し,樹皮黒褐色で,とげ状の短枝を多数出す。葉は有柄で互生し,長楕円形ないし卵状長楕円形で縁に鋸歯がある。短枝の葉は先端が3~7浅裂するのが普通であるが,まったく裂けないものもあり変異が多い。春に,新枝の先端に散形花序をなして3~7個の白花をつける。径1~2cmの5弁花でつぼみのときは紅色を帯び,大量に咲くので美しい。萼片は開花時に開いてそり返る。果実は秋に熟し,小球形で黄または紅色。樹皮を染料とするためズミ (染み) という。上高地ではコナシと呼ばれている。

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百科事典マイペディアの解説

ズミ

ヒメカイドウ,コナシ,コリンゴとも。バラ科の落葉低木〜小高木。北海道〜九州,朝鮮半島の山野にはえる。葉は長楕円形で先はとがり,縁には鋸歯(きょし)があって,若枝の葉は3〜5裂する。4〜5月,短枝の先に4〜8個の白色5弁花を開く。つぼみは淡紅色。花は径2〜3cm,おしべ多数。果実は球形で9〜11月,紅〜黄色に熟す。果実の頭には萼の落ちたあとが残る。材を細工物,樹を庭木,盆栽とする。

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世界大百科事典 第2版の解説

ズミ【toringo crab apple】

日当りのよい丘や山地に生える,バラ科リンゴ属の植物。コリンゴともいう。落葉する低木または小高木で,高さ10mほどになることもある。幹は灰黒色を帯び,よく枝分れして,小枝はしばしば,とげになる。葉は長楕円形から卵形で長さ3~7cm,縁に鋸歯があり,普通は両面に軟毛が生える。4~5月,枝先にそれぞれ5~7個の花をつける。花冠は直径2~3cm,花弁は5枚で広楕円形,白色で,つぼみのうちは淡い紅色を帯び,美しい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ズミ
ずみ
[学]Malus sieboldii (Regel) Rehd.

バラ科の落葉高木。高さ5~8メートル、まれに10メートルに達するものもある。幹は灰褐色で、茎にいぼ状の小さい皮目がある。若枝は初め毛があるが、のちに無毛となり、小枝は刺(とげ)状になることがある。葉は互生し、単葉で両面に毛があり、長枝の葉は3中裂から浅裂で、縁(へり)に鋸歯(きょし)がある。短枝の上部に輪生状につく葉はほとんど切れ込まず、全縁となる。5~6月、短枝の先に白色で径約2.5センチメートルの5弁花を数個開く。雄しべは20本。雌しべは3~4本、子房は上位。果実はなし状果、球形で径5~7ミリメートル、赤く熟す。山地に生え、日本全土、および朝鮮半島に分布する。名は、樹皮を染料に用いるので染(す)みがずみになったとする説と、果実が酸っぱいので酸実(すみ)がずみになったとする説がある。ハナカイドウやリンゴの台木として用いる。変種のオオズミは、長枝の葉は大きくてほとんど分裂せず、鋸歯もほとんどない。[鳴橋直弘]

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世界大百科事典内のズミの言及

【カイドウ(海棠)】より

…江戸時代に〈カイドウ〉と呼ばれていたものは,以下に述べるミカイドウであったが,現在ではハナカイドウに対して〈カイドウ〉の名が誤用されていることが多い。カイドウ類は,リンゴ属のなかでは芽の中で葉が巻いていることで,リンゴなどと同じ群に入り,芽の中で葉が折りたたまれるズミ類とは区別される。しかし,リンゴ類のように果実が食用とされることはほとんどない。…

※「ズミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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