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セミラミス Semiramis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セミラミス
Semiramis

アッシリアの伝説上の女王のギリシア名。半身半魚の女神デルケトーの娘。戦いと愛の女神。捨て子彼女はハトに養われていたところを羊飼いたちに発見され,育てられた。美しく賢い彼女は大臣オンネスの妻となったが,バクトラの戦いのとき,夫に従った彼女の作戦によりニノス王は勝利を収めた。王は彼女を妃にしたいとオンネスに迫り,オンネスは困り果てたあげく自殺した。妃となった彼女は,王の死後,女王として君臨し,バビロンに都を築き,特にユーフラテス川をはさんだ東西の城,なかでも西の城のバニロンの吊り庭園は工学技術の粋を集めた建造物として知られ,世界の七不思議の一つとされている。ロッシーニの歌劇『セミラーミデ』 (1823) は彼女を歌っている。

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百科事典マイペディアの解説

セミラミス

古代オリエントの伝説的な女王。バクトラを征服したアッシリア王ニノスNinosの妃で,死後,神になったとも,鳩に変じたとも伝える。バビロンの都市造営は有名で,その城門や空中庭園は彼女の名とともに語り継がれた。

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世界大百科事典 第2版の解説

セミラミス【Semiramis】

古代オリエントの伝説的な女王。シリアの女神デルケト(あるいはアタルガティス)の娘で,捨子として鳩に育てられた。牧人に発見されて代官オンネスの妻となり,やがて将軍に取りたてられた夫とともにアッシリア王ニノスNinosの東方遠征に従軍した。彼女の活躍によってバクトラが攻略されると,その勇気と美しさに心を奪われたニノスは彼女を求め,絶望したオンネスは自殺した。まもなくニノスも亡くなり,女王として君臨することになったセミラミスは,メソポタミアやイランの各地で都市や道路,地下水道などの巨大な建設事業に従事した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セミラミス
せみらみす
Semiramis

伝説的なバビロンの女王。シリアの女神デルケトとカユストロスとの間に生まれたが、すぐに捨て子にされ、鳩(はと)と羊飼いに育てられた。成長後はその美貌(びぼう)を見込まれてアッシリア王ニノスの臣オンネスと結婚し、その才知で夫を助けたが、それがかえって仇(あだ)となり、彼女の軍略にほれ込んだニノス王が彼女をオンネスからむりやり奪い取って妻とした。1子ニニュアスが生まれたが、王がまもなく死去したため、彼女が王位を継いで長くバビロンを支配した。数々の建築造営工事を行ったが、なかでもとくに空中庭園は有名である。また彼女は全アジアを征服したのち、その矛先をインドにまで向けたが、のちに王位を息子に譲って死後は鳩に変身したという。アッシリア王シャムシ・アダド5世の妃(きさき)サムラマトがそのモデルとされる。[丹下和彦]

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