タイソン(その他表記)Tyson, Mike

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイソン」の意味・わかりやすい解説

タイソン
Tyson, Mike

[生]1966.6.30. ニューヨーク,ブルックリン
アメリカ合衆国のプロボクサー。本名 Michael Gerald Tyson。史上最年少で世界ヘビー級チャンピオンの座についた。子供の頃不良グループに入り,1978年少年院に送られた。そこでボクシングと出会い,のちに法廷後見人となったトレーナーのカス・ダマトのもとで本格的にボクシングを習う。アマチュアとして 24勝3敗の記録を残し,1985年にプロに転向。翌 1986年にトレバー・バービックを2ラウンド・テクニカルノックアウト TKOで倒し,世界ボクシング評議会 WBCのヘビー級王座につく。 1987年には世界ボクシング協会 WBA,国際ボクシング連盟 IBF王者となり,3冠を獲得する。以後,10回の防衛戦を制した。ダマトの死後,プロモーターのドン・キングと組む。 1990年世界ヘビー級タイトルマッチでジェームズ・ダグラスに敗れ王座を失う。 1991年レイプ事件を起こして有罪となるが,1995年に仮釈放されてボクシング界に復帰。 1996年には WBC,WBAのタイトルを奪回したが,イベンダー・ホリフィールド戦で敗れ WBAタイトルを失い,プロ選手として2回目の敗北を喫した。 1997年ホリフィールドとの再戦に挑むが,相手の耳に2度かみつき失格となり,ボクサーのライセンスも剥奪された。 1999年に復帰したものの次々と問題を起こした。 2002年 WBCと IBFの2冠王者レノックス・ルイスと対戦したが敗退した。

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改訂新版 世界大百科事典 「タイソン」の意味・わかりやすい解説

タイソン
Edward Tyson
生没年:1650-1708

イギリスの科学者。ケンブリッジ大学で1678年に医学の学位を得た。先人の記録に精通し,動物学,解剖学について古代誤謬や知識の混乱を指摘し,批判を加えた。そしてみずからも比較解剖学的に類人猿ヒトを調べ,解剖学的特徴のほかに,行動や外観についても正確かつ詳細に記載した。とくに1699年に書かれた《オランウータンもしくはホモ・シルウェストリウス--オナガザル,類人猿ならびにヒトと比較したピグミーの解剖》は有名であるが,ここで解剖されたピグミーは,その正確な記載からチンパンジーであることは明らかである。古代以来,サルかヒトかで騒がれてきたピグミー(実はチンパンジー)は,タイソンの研究により類人猿の一種で,オナガザルとヒトの中間にあることが明白に示された。タイソンにもまだみられるサルの名称についての混乱は,リンネの分類法が確立するまで,ある程度やむをえなかったといえよう。
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