タイタニック号(読み)タイタニックゴウ(英語表記)Titanic

翻訳|Titanic

デジタル大辞泉 「タイタニック号」の意味・読み・例文・類語

タイタニック‐ごう〔‐ガウ〕【タイタニック号】

Titanic》英国の豪華客船。当時世界最大の4万6328総トン。1912年処女航海中に、ニューファンドランド沖で氷山に衝突し沈没。1500人を超える犠牲者を出した。

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共同通信ニュース用語解説 「タイタニック号」の解説

タイタニック号

英国の造船所で20世紀初頭に建造され、当時、世界最大の客船と言われた。1912年4月10日、英南部から米ニューヨークに向けて初航海に出発後、同14日夜にカナダ沖の大西洋で氷山に衝突して沈没し、乗客乗員約2200人のうち約1500人が死亡、後に映画化された。事故をきっかけに船舶の安全に関する国際条約ができ、海上の安全維持を目指す現在の国連専門機関国際海事機関(IMO)」が50年代に発足した。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「タイタニック号」の意味・読み・例文・類語

タイタニック‐ごう‥ガウ【タイタニック号】

  1. ( タイタニックはTitanic ) イギリスの豪華客船。総トン数四万六三二八トン。一九一二年ニューヨーク港に向けて処女航海中、四月一四日ニューファンドランド沖で氷山と衝突し沈没。乗船者二二〇八人中一五一三人の犠牲者を出す世界最大の海難事故となった。国際的に決められた救難信号「SOS」がこのときはじめて発信された。

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改訂新版 世界大百科事典 「タイタニック号」の意味・わかりやすい解説

タイタニック号 (タイタニックごう)
Titanic

処女航海で氷山と衝突して沈没した悲劇の豪華客船。イギリスのホワイトスター会社がキュナード汽船会社のモーレタニアに大きさで対抗すべく,1912年姉妹船のオリンピックとともに建造したもので,長さ269m,幅28m,総トン数4万6329トン。同年,処女航海の途につくためサザンプトンを出港,ニューヨークに向かう途中,4月14日夜ニューファンドランド島沖(北緯41°46′,西経50°14′)で氷山に衝突して翌日沈没,1490名(1513名ともいわれている)の犠牲者を出した。この世界最大の海難事故に対し,イギリス政府は商船法に基づき海難審判委員会を発足,この委員会の報告書の内容は,29年に〈海上における人命の安全のための国際条約International Convention for the Safety of Life at Sea〉(〈海上人命安全条約〉〈SOLAS条約〉ともいう)という国際的な法律の中に生かされた。そのおもなものは,北大西洋における流氷監視通報,船舶の構造強化,復原性水密区画・開口部に対する規制,救命および消火設備の充実,無線電信施設の充実,救難通信(SOS)の24時間聴取の義務づけなどで,その後もこの条約は改正されつつ現在に至っている。なお,タイタニックには,鉄道院副参事細野正文が唯一の日本人として乗船していた。
海難 →客船
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイタニック号」の意味・わかりやすい解説

タイタニック号
たいたにっくごう
Titanic

歴史的な大海難を起こした豪華客船。イギリスのホワイト・スターライン社の4万総トン級の第2船として1912年に建造された。4万6329総トン、全長269.1メートル、幅28.2メートル、速力22ノット。画期的な二重底と防水区画を採用した「不沈船」として、また大きさと豪華さで、大西洋航路の女王を目ざしていた。12年4月10日、サウサンプトンからニューヨークに向け、2224人の乗客・乗員を乗せて処女航海に出航。5日目の4月14日夜11時40分、ニューファンドランドのグランド・バンクス南方150キロメートル沖合いを22ノット(時速約40.7キロ)で航行中に氷山に接触し、水面下に長さ90メートルにわたって裂け目を生じ、16の防水区画のうち前部の5区画に浸水して15日午前2時20分沈没した。救命艇の収容人員は総計1178人分しかなく、1513人の犠牲者を出し世界最大の海難とされている。またこのとき、国際的に決められた救難信号「SOS」が最初に発信されている。この惨事の結果、翌13年に、海上の人命安全に関する国際会議がロンドンで開かれ、現在の船の安全施設充実の発端となった。

[茂在寅男]

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百科事典マイペディア 「タイタニック号」の意味・わかりやすい解説

タイタニック号【タイタニックごう】

1912年4月14日北大西洋で氷山に衝突,史上最大の海難事故を起こした英国の客船。4万6328総トン。1912年建造,サウサンプトンからニューヨークに向け処女航海の途中に遭難,2時間40分後沈没,船内全人員2208人中1490人(1513人ともいわれる)が死亡した。この事故は,水密区画救命設備流氷監視など航海の安全確保に関する技術,制度を改善させる契機となった。→海難
→関連項目海上人命安全条約ソナー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイタニック号」の意味・わかりやすい解説

タイタニック号
タイタニックごう
Titanic

イギリスのホワイト・スター・ライン社が,1911年に建造した大西洋航路用の客船。総トン数4万 6328tと当時の画期的な大型豪華客船であったが,12年4月 14日処女航海の途中,北大西洋ニューファンドランド沖で大氷山と衝突して沈没した。乗客・乗務員 2224人中死者は 1513人を数え,海難史上に特筆される悲劇の船となった。救命艇が 1178名分しかなかったので問題になった。この事件がきっかけで,翌 13年にはロンドンで海上の生命安全に関する国際会議や船舶の隔壁および水密構造委員会も開かれ,国際無線遭難信号を採用するなど,海難防止のための国際的な取決めが活発に行われた。

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世界大百科事典(旧版)内のタイタニック号の言及

【客船】より

…モーレタニア号の解体後,39年その名を受け継ぐ客船(総トン数3万5655トン)が建造された。 タイタニックTitanicイギリス。1912年建造。…

【海難】より

…近代以降における著名な海難として次のようなものがあげられる。(1)タイタニック号事件 タイタニック号はイギリスのホワイトスター汽船会社所属の豪華客船であった。ニューヨークへ向かう処女航海の途中,1912年4月14日深夜ニューファンドランド沖で氷山に衝突して,約3時間後に沈没,2201名の乗船者のうち1490名が死亡し,世界に衝撃を与えた。…

【客船】より

…その後もこの航路には,ブレーメン号(ドイツ),ノルマンディー号(フランス),クイーン・メアリー号などの優秀船が活躍し,第2次大戦による中断を経て,52年にはアメリカのユナイテッド・ステーツ号がブルーリボンを獲得した。 大西洋航路の歴史の中で特筆すべき船に,タイタニック号(イギリス)がある。この船は姉妹船オリンピック号とともに初めて4万トンを超えた巨大船であり,もはや海難などは起こり得ないと考えられていた。…

【交通】より

…1909年モレタニア号Mauretania(3万1938総トン)は大西洋を4日半で横断した。12年の処女航海で1513名の犠牲者を出した悲劇のタイタニック号(4万6328総トン),1938年大西洋横断を3日と21時間に短縮したクイーン・メアリー号(8万1235総トン),〈人間の造った最大の機械〉といわれたクイーン・エリザベス号(8万3673総トン)と大型・高速の客船が相次いで建造され,20世紀前半は豪華客船の黄金時代となった。
[現代]
 第2次大戦後,モータリゼーションの波は世界各地に及び,交通機関としての自動車の重要性はさらにました。…

【ベルファスト】より

…代わって興ったのが近代的リネン工業で,ベルファストは世界有数のリネン工業を誇るようになり,今日にいたる。このほか,タイタニック号その他の建造で知られるハーランド・ウルフ造船所(1975年に国有化)があり,ロープ工業,タバコ工業,航空機産業なども盛んである。ベルファスト・クイーンズ大学(1845創立)の図書館には,アダム・スミスの蔵書の一部が収められている。…

※「タイタニック号」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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