サウサンプトン(読み)さうさんぷとん(英語表記)Southampton

翻訳|Southampton

デジタル大辞泉 「サウサンプトン」の意味・読み・例文・類語

サウサンプトン(Southampton)

英国南端、イギリス海峡に臨む港湾都市。大西洋航路の南の玄関口。造船・石油・電気機械などの工業が盛ん。

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精選版 日本国語大辞典 「サウサンプトン」の意味・読み・例文・類語

サウサンプトン

  1. ( Southampton ) イギリスのイングランド南部にある港湾都市。ロンドンの外港としての役割を果たしている。イギリス海峡に通じるサウサンプトン湾に臨み、大西洋航路などの客船が発着する。一六二〇年ピルグリム‐ファーザーズの出航地。造船業、航空機製造業も盛ん。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サウサンプトン」の意味・わかりやすい解説

サウサンプトン
Southampton

イギリスイングランド南部の都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。1997年にハンプシャー県から分離して単一自治体となった。ロンドンの南西約 120km,イギリス海峡沿岸の港湾都市で,入江であるサウサンプトン水路の最奥部,テスト川とイッチェン川に挟まれた半島にある。ローマ時代にイッチェン川東岸に建設された集落に始まり,アングロ・サクソン時代を通じて港町として発展。1154~55年頃最初の勅許状を得て,中世には羊毛とワインの積出港として繁栄。1620年ピルグリム・ファーザーズを乗せた『メイフラワー』号はここから新大陸に向かって出帆した。ワイト島によって外洋から守られた天然の良港で,1831年ロイヤル埠頭が完成し,1840年ロンドンと鉄道で結ばれてから近代的港湾としての発展が始まり,主要港の一つとなった。特に旅客港として重要で,取り扱い旅客数ではドーバーに首位を譲るが,ドーバー港がもっぱら海峡横断フェリー用の港であるのに対し,サウサンプトン港へは世界最大級の豪華客船なども出入りし,にぎわう。造船・船舶修理,建設,港湾荷役,船舶港湾用機械設備製造など港湾関係の産業のほか,航空機,自動車,電機,石油化学など各種工業が行なわれる。サウサンプトン水路南西岸のフォーリーにはイギリス最大級の製油所が立地し,北海油田の原油が主要移入品,石油製品が主要移出品となっている。第2次世界大戦時に空襲により大きな被害を受けたが,ジョン王の宮殿と呼ばれる 12世紀の住宅をはじめとする古い建築物が保存されている。サウサンプトン大学(1862)がある。面積 49km2。人口 22万2000(2005推計)。

サウサンプトン(伯)
サウサンプトン[はく]
Southampton, Henry Wriothesley, 3rd Earl of

[生]1573.10.6. サセックス,カウドレー
[没]1624.11.10. ベルゲンオプゾーム
イギリスの女王エリザベス1世時代の廷臣。 1590年宮廷に入る。2代エセックス (伯)の友人で,96年と 97年の同伯のカディス遠征,アゾレス遠征にも参加。 99年女官エリザベス・バーノンとひそかに結婚して女王の怒りを買い,同年エセックス伯のアイルランド遠征に従軍。 1601年同伯の反乱に加担して反逆罪に問われ,投獄されたが,03年ジェームズ1世の即位後釈放され,伯爵位を許された。以後バージニア会社,イギリス東インド会社などに関係し,19年枢密顧問官。ネーデルラント戦病死シェークスピアの友人兼パトロンで,『ビーナスアドニス』の詩を捧げられた。『ソネット集』のなかの謎の人物「貴公子」とも推定されている。

サウサンプトン(伯)
サウサンプトン[はく]
Southampton, Thomas Wriothesley, 1st Earl of

[生]1505.12.21. ロンドン
[没]1550.7.30. ロンドン
イギリスの政治家。熱心なカトリック教徒で,1544年大法官に就任。 47年国王エドワード6世の摂政会議の一員に任命されたが,独断で4人の大法官代行を定めたため非難され,解任。翌年枢密顧問官。サマセット公の失脚をはかるノーサンバーランド公の陰謀に加担したが,その後の処遇に失望して引退。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サウサンプトン」の意味・わかりやすい解説

サウサンプトン
さうさんぷとん
Southampton

イギリス、イングランド南部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の港湾都市。日本ではサザンプトンともいう。人口21万7478(2001)。イギリス海峡に臨み、対岸にフランスを控える。ワイト島を自然の防波堤とするサウサンプトン湾の湾奥に位置し、天然の良港をなす。また首都ロンドンから南西約110キロメートルと便利な条件を備え、ローマ時代から重要な港町として発展した。ロンドンの外港で、とくに船舶交通が盛んであった第二次世界大戦までは、大西洋航路におけるイギリスの玄関口として栄えた。造船、船舶修理、船舶機械をはじめ、石油精製、電気機械、合成ゴム、航空機製造などの工業が立地する。美しい港湾で、ローマの遺跡に富むほか、ノルマン城壁や14世紀の聖ミカエル教会などがある。サウサンプトン大学の所在地。

[久保田武]

歴史

すでに紀元1世紀にローマ人の町クラウセントゥムができ、早くから海外貿易を行っていた。その跡にサクソン人の町ハムトゥンHamtuneが生まれ、国王の特権都市となった。最古特許状は1155年のもので、この時期から十字軍や百年戦争のための軍港として発展した。1295年以降は議会に代表を送り、中世末には地中海貿易で繁栄した。1620年にはメイフラワー号に乗ったピルグリム・ファーザーズがここから旅立った。その後一時停滞したが、1840年にロンドンとの間に鉄道が開通、ロンドンの外港となり、港湾都市としての繁栄を取り戻した。第二次世界大戦中はアメリカ海軍の基地となり、ドイツ軍の空襲を受けて大きく破壊された。

[青木 康]

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改訂新版 世界大百科事典 「サウサンプトン」の意味・わかりやすい解説

サウサンプトン
Southampton

イギリス南部,ハンプシャー南部海岸にある港湾都市。ササンプトンともいう。人口30万4400(2001)。イギリス海峡の入江であるサウサンプトン湾の湾頭に位置し,ワイト島との間のソレントおよびスピットヘッド両水道の潮流によって,湾内の水深が大きく保たれるため,天然の良港をなす。イギリス有数の商業港であり,特に大西洋航路の豪華旅客船のターミナルとして知られ,付近の海上はヨットの帆走適地である。また造船業をはじめ,精油,航空機,食品加工などの工業も発達する。現市街はテスト川とイチン川の合流点を中心に展開するが,ローマ時代の集落はイチン川の東岸に建設され,中世にはウィンチェスターの外港として発達。1620年にはアメリカ建国の祖ピルグリム・ファーザーズのメーフラワー号の出航地ともなった。18世紀には温泉保養地へと衰退したものの,1831年のローヤル埠頭の建設,40年のロンドンとの鉄道開通によって近代港湾として復活した。市内にはノルマン時代の城壁と北門Bar Gateのほか,セント・ミカエル教会などがある。第2次世界大戦中の爆撃で旧市街の4分の3が破壊された。
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百科事典マイペディア 「サウサンプトン」の意味・わかりやすい解説

サウサンプトン

英国,イングランド南岸ハンプシャー州の,イギリス海峡に臨む港湾都市。深く入り込んだ同名湾の北東岸を占め,イギリス海峡への出口をワイト島に守られる天然の良港。米国への大西洋横断航路の起点。ヨットセンターがある。造船,機械,食品加工などの工業が行われる。ノルマン・コンクエスト以来軍港として栄え,1620年メーフラワー号出港の地。23万6882人(2011)。

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