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タイム・マシン time machine

翻訳|time machine

世界大百科事典 第2版の解説

タイム・マシン【time machine】

航時機〉とも訳される。過去や未来を訪れるための空想的な装置で,H.G.ウェルズ《タイム・マシン》(1895)にはじめて登場する。しかしウェルズ作品の主眼は文明批評にあり,その点では機械によらぬ時間遡行を扱ったマーク・トウェーン《アーサー王宮廷のヤンキー》(1889)と同様に,タイム・マシンの純論理的分析を行ったものではなかった。その後,一部の科学小説作家は,過去の改変による未来への影響という〈タイム・パラドックス〉に着目し,ここにタイム・マシンはSF文芸の一翼をになう大きなテーマに成長した。

タイム・マシン【The Time Machine】

イギリスの小説家H.G.ウェルズの処女小説。1895年に出版され,現代SFの先駆となった。非ユークリッド幾何学や新たな時空論の発展を踏まえ,時間もまた移動可能な空間(第四次元)であるとする説に着想を得た中編で,スクーター型の航時機に乗り802701年の未来に到着した男を描く。そこでは人類が子どものように弱々しいエロイと野蛮な地底人モーロックとに分化し,退化滅亡への道をすすんでいた。地球の暗い未来を予言したこの作品は,おりからの世紀末的終末感とも一致し,地底で機械を操作するモーロックに都市労働者の末路が映されるなど社会風刺も鋭く,評判を呼んだ。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

世界大百科事典内のタイム・マシンの言及

【SF】より

…一方,ウェルズはT.モア以来のユートピア小説の伝統を受け,戦争や労働問題と近代科学の間にある危険を感じながら,良識と技能の有効な利用によって理想世界を追求しようとした。《タイム・マシン》(1895)は時間旅行によって未来を見てきた男の物語だが,労働から完全に解放されて平和を得た人々の不幸をえがいており,《解放された世界》(1914)では核兵器の危険とともに,その抑止力をも提示した。事実この作品は原爆の開発に関して精神的な支えとなったといわれており,一方では世界国家,社会主義,自然保護,福祉社会,科学による病気や天災の克服といった理想が,のちの時代の大きな指針となった。…

※「タイム・マシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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