ブラックホール(読み)ぶらっくほーる

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

ブラックホール

何らかのネットワーク上の障害によって、通信回線内のパケットが抜け出せず、送信先にたどり着けない状態を指す言葉。宇宙の回りのものすべてを引き寄せ、吸い込んでしまう「ブラックホール」が由来。

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知恵蔵の解説

ブラックホール

物体が自分の重力を支える力が弱いと、自分の重力で収縮していく(重力崩壊)。重力崩壊が進行すると、一般相対論的効果で時間が遅れていき、ある時点で時間が止まり、光も停止する。これは、光速がその系からの脱出速度と同じになることを意味し、この物体からは何も放射されなくなり、ブラックホールとなる。例えば中性子星は、重力を中性子縮退圧で支えている(中性子星)が、質量太陽の1.4倍を超えると縮退圧でも支えきれなくなり、重力崩壊が起きてブラックホールへと進化する。活動銀河核の中心には太陽質量の100万〜10億倍の質量を持つ、超大質量ブラックホールが存在すると考えられる。

(二間瀬敏史 東北大学大学院理学研究科教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

ブラック‐ホール(black hole)

超高密度・大質量で、強大な重力のために物質も光も脱出できない天体太陽質量の10倍程度以上の星が、進化の終末に自らの重力によってつぶれて崩壊したもので、白鳥座X線天体はその一つとされている。

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百科事典マイペディアの解説

ブラックホール

重力が強いため,光を含めいかなるものもそこから脱出できない面(〈事象の地平面〉と呼ぶ)が存在する天体。ブラックホールを観測したとき,光も電波もX線も出てこないので,宇宙の背景放射の中にまったくの黒い穴として見える。 ブラックホールを特徴づける第1の要素は重力質量で,現実的に考えられるものとしては,1.太陽の質量(2×1033g)の10倍程度のブラックホール,2.太陽の質量の100万倍から1億倍程度の超大質量ブラックホール,3.10億t程度のミニブラックホールがあげられる。この質量に応じてブラックホールの大きさ,すなわち事象の地平面の面積も決まり,前記の場合はそれぞれ,10km四方,1000万〜10億km四方,10兆分の1cm四方程度になる。 太陽の質量の10倍程度のブラックホールは,恒星の進化の最終段階として生じる。恒星は内部の核融合反応で解放された結合エネルギーによって,重力による自身の収縮を支えている。核融合反応が進むと,最後には融合の燃料を使い果たし,中心部は鉄の原子核になる。この段階ではもはや恒星は自身を支えることはできず,重力のために収縮を始める。恒星の中心核の質量があまり大きくないときには,ある段階で収縮から反発に転じて星の外層が吹き飛ばされ(超新星爆発),中心には中性子星が残る。しかし恒星の質量が大きく,太陽の質量の10倍以上ある場合は,外層は吹き飛ばされることなく中心にある中性子星に向かって落下していく。すなわちどこまでも収縮を続けていくわけで,最終的にはブラックホールになる。はくちょう座で発見されたX線星はくちょう座X-1は,このようにして生じたブラックホールだと考えられている。 質量が太陽の質量の100万〜1億倍のブラックホールは活動銀河の中心核や恒星状天体(クエーサー)をなすものと考えられている。太陽の質量の1.4〜3倍以下の小さいブラックホールの場合は通常の重力崩壊では生まれず,宇宙初期の大きな密度のゆらぎによって生じたとしか考えられない。 ブラックホールの時空構造は,理論的にはアインシュタインの一般相対性理論の基礎方程式の軸対称定常解として得られる。これには,球対称なシュワルツシルト解,非回転で軸対称なワイル解,回転しているカー解,回転と歪みの入った冨松=佐藤解などがあるが,一般にはブラックホールと言えばカー解を指す。
→関連項目恒星状天体中性子星超新星電波銀河はくちょう(白鳥)座X-1ホワイトホール(宇宙)

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世界大百科事典 第2版の解説

ブラックホール【black hole】

重力が強いため,自然界でもっとも速い光(秒速30万km)を含めていかなる物もそこから脱出することができない面が存在する天体。一般相対論ではこの面を〈事象地平面〉と呼ぶ。ブラックホールを観測したとき,事象の地平面からは,光も電波もX線も出てこないので,まったく黒く見える。すなわち,宇宙の背景放射の中の黒い穴(ブラックホール)として見えることになる。
[種類]
 事象の地平面から十分離れた遠方では,ブラックホールは,何も特異なことを起こさない。

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大辞林 第三版の解説

ブラックホール【black hole】

物質も光も外部へ脱出できないような強い重力場を持つ天体。質量が太陽の数倍程度のブラック-ホールは、大質量の星が超新星爆発したときに残された中心部が重力崩壊したもの。銀河の中心核にあるとされる、質量が太陽の数百万倍以上もあるブラック-ホールは、銀河の形成初期につくられたと考えられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ブラックホール
black hole

中性子星よりさらに密度の高い星で,中心からある距離内では光さえもその強大な重力を逃れられず,光学観測が不可能となった暗黒の天体。太陽の数十倍以上の星は原子核燃料を使い果すと中心部が冷却し,膨大な外層部の重さを内部からの圧力で支えきれず,重力収縮を始める。星の質量が十分大きいか収縮のエネルギーが非常に大きいと,星は中性子星の状態を通り越し,無限に重力崩壊してゆく。そのような天体のまわりの時空はきわめて強く湾曲し,光もいかなる物質も出てゆくことができず,周囲の物質は飲み込まれてしまう。脱出速度が光速に近い半径内部のどんな現象も外から観測できない。この半径は事象の地平線とか,1916年にその解を発見した K.シュワルツシルトにちなんでシュワルツシルト半径と呼ばれる。時空が極端に異状なため,ブラックホールに落込んだ物質はほぼ無限大の密度に圧縮され,個々の性質は不明となり,質量,電荷および角運動量だけが保持される。ブラックホールの大きさをシュワルツシルト半径により定義するなら,代表的なものは年齢,質量および角運動量に応じて 1kmから数十 km程度であると予想される。ブラックホールが普通の恒星と近接連星系を構成している場合のように,近くに流れ込む物質を供給する星があると,ブラックホールに落ちてゆく物質はシュワルツシルト半径に達して消滅する前に強く熱せられ,X線やγ線を発するようになる。このようなX線を放射していると考えられる天体にはくちょう座X-1という分光連星がある。ぎょしゃ座ε星,こと座β星,オリオン座 BM星などの食連星もその食変化の性格から伴星がブラックホールではないかと考えられている。

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世界大百科事典内のブラックホールの言及

【恒星状天体】より

…天体の大きさを考えるとふつうの星ではありえない。現在もっとも有力なモデルとして考えられているのは,太陽の10億倍程度の質量の超大ブラックホールが恒星状天体の中心にあって,星またはガスがこのブラックホールに引き付けられるときに解放される重力エネルギーが,電磁波もしくは粒子の加速に変換されるというものである。近距離の恒星状天体の写真を見ると,その周囲にぼんやりと星雲状のものが認められることがある。…

【相対性理論】より

…また数値解法の研究も進んでいる。(3)天体物理学における応用 この分野でもっとも注目を集めているのは,電波,あるいはX線天文学によってブラックホールと思われる天体が発見されていることであろう。ブラックホールとは,上に述べたシュワルツシルトの解が示す,極端に強い重力場がもつ奇妙な領域のことで,中性子星の重力崩壊によって実現されると考えられている。…

※「ブラックホール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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