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タルドノア文化 タルドノアぶんかTardenoisian culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タルドノア文化
タルドノアぶんか
Tardenoisian culture

西ヨーロッパを中心に分布する中石器時代後半の文化。ソーベテール文化のあとに現れる。 1879年フランスのエーヌ県フェール・アン・タルドノアで遺跡が発見され,G.モルティエによりタルドノア文化と命名された。イベリア半島,イタリア,フランス,イギリス,ベルギー,南ロシア,ポーランドに分布し,スペイン北部ではアジール文化のあとにくる。この文化を特徴づけているのは幾何学型の細石器,特に台形をしたトラピーズと呼ばれる石器である。これらは木もしくは骨の柄に数個はめこんで,矢や槍などにしたものである。生活は狩猟と漁労によって成り立っていた。各地のタルドノア文化の後半は新石器文化と同時期だったと考えられている。

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百科事典マイペディアの解説

タルドノア文化【タルドノアぶんか】

フランスのフェール・アン・タルドノアを標準遺跡とし,ヨーロッパに広く分布した中石器時代の文化。幾何学形の細石器を主とし,彫器をともなう。砂丘や海岸近くに小屋がけ程度の竪穴(たてあな)住居を営み,採集・狩猟生活が中心。

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世界大百科事典 第2版の解説

タルドノアぶんか【タルドノア文化】

北フランス,タルドノアTardenois地方のコアンシーCoincy,ブリュイェールBruyères両遺跡の遺物をもとに定義された,細石器を主とする後氷期の石器文化。一般には中石器時代とされる。特徴的な遺物は,石刃の両縁にくぼみ部を作り,それを折り点とする特殊な技術(タルドノア技法)を用いて作られた台形石器である。北フランスを中心に分布し,前8000年ころに始まり,前3000年を下る時期まで継続した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タルドノア文化
たるどのあぶんか
Tardenois

北フランス、タルドノア地方のコワンシー、ブリュイェール両遺跡の遺物をもとに定義された中石器時代の文化。台形石器の作り方に特色があり、石刃(せきじん)の両縁に凹部をつくり、そこを折っている(タルドノア技法)。北フランスを中心に分布し、紀元前8000年ごろから前3000年以降まで存在した。南フランスでは、同じ年代にソブテール文化、シャトーヌフ文化とよばれるよく似た石器文化がみられる。新石器農耕民が肥沃(ひよく)な地に住み着いたのに対し、タルドノア文化の人々は狩猟採集の生業を続け、開地で水源に近い、しかし乾いた地に住むというように住み分けていた。そして一部は青銅器時代まで同じ生活様式を保持し続けた。[山中一郎]

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