ダムダム弾(読み)ダムダムダン

デジタル大辞泉 「ダムダム弾」の意味・読み・例文・類語

ダムダム‐だん【ダムダム弾】

小銃・拳銃弾一種着弾衝撃で鉛が露出し傷口が拡大する。1907年、ハーグ会議で使用禁止を決定英国インドの内乱鎮圧のため、カルカッタ(現コルカタ近郊のダムダム(dumdum)造兵廠ぞうへいしょう最初に作ったところからの名。

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精選版 日本国語大辞典 「ダムダム弾」の意味・読み・例文・類語

ダムダム‐だん【ダムダム弾】

  1. 〘 名詞 〙 ( ダムダムは[英語] dumdum ) 特殊小銃弾の一種。命中すると破裂し、人体内に破片が不規則に刺さり傷を拡大するように作られた銃弾。非人道的であるとして一九〇七年ハーグ平和会議で使用禁止とした。イギリスがインドにおける反植民地運動弾圧のためカルカッタ(コルカタ)近郊のダムダム造兵廠で最初に作ったところからの名。
    1. [初出の実例]「敵の乗馬の鞍嚢中には速射ピストル用のダムダム弾を発見す」(出典:東京朝日新聞‐明治三七年(1904)七月一八日)

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百科事典マイペディア 「ダムダム弾」の意味・わかりやすい解説

ダムダム弾【ダムダムだん】

銃弾の一種。鉛の実体弾または頭部に鉛の露出部をつくった被甲弾で,人体に命中すると鉛がつぶれ傷口が大きくなる。ほとんどが人体を貫通せず体内に留まり,傷口が大きいことと鉛毒鉛中毒)のため傷がなおりにくい。19世紀に英国が植民地内乱鎮圧用に考案し,インドのダムダム工場で製造した。1899年ハーグ平和会議で使用が禁止された。
→関連項目弾丸陸戦法規

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダムダム弾」の意味・わかりやすい解説

ダムダム弾
だむだむだん
dumdum bullet

狩猟用ライフル弾の一種で、弾丸の先端に弾芯(だんしん)の鉛を露出させたり、弾頭部に縦の切り込みを入れ、獲物に命中させると弾頭部が茸(きのこ)状に開いたり、弾芯の鉛が飛び散ったりして、損傷普通弾以上にすることを目的とした特殊弾。19世紀にイギリスがインドの内乱鎮圧のため、カルカッタ(現コルカタ)北部にある工業都市ダムダムの兵器工場でつくらせたので、この名が生まれた。この弾丸を軍用として人体に使用した場合、弾芯がつぶれたり鉛片が体内に飛び散り射入後の傷を大きく、かつ複雑にして死亡率を高めたり回復を遅くする。このため非人道的兵器であるという理由で、1907年のハーグ会議で使用禁止が決定されたが、イギリス、アメリカ両国はこれを批准しなかった。

[小橋良夫]


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改訂新版 世界大百科事典 「ダムダム弾」の意味・わかりやすい解説

ダムダム弾 (ダムダムだん)
dumdum bullet

小銃弾の弾頭先端の被甲を数個に縦割りするかまたは除去して,弾芯の鉛を露出したもの。この弾丸による創傷は,通常の弾丸によるよりも大きくかつ治癒困難なものであるため,残酷な武器として戦時国際法で使用を禁止されている。イギリスがインドを統治していたころ,インドのダムダム工場で製造したことからこの名称が生まれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダムダム弾」の意味・わかりやすい解説

ダムダム弾
ダムダムだん
dumdum bullet

イギリスがインドで植民地反乱を鎮圧するために用いた銃弾。カルカッタ郊外ダムダム地区の兵工廠で製造していたため,19世紀末頃から,こう呼ばれた。普通,銃弾頭は,鉛の芯を銅またはニッケルで包んであるため,動物や人間に当ると貫通するが,ダムダム弾は被銅の先端を取除き,かつ被銅を薄くしてあるので,命中すると柔らかい鉛が潰れて,傘のように広がる盲管銃創となり,大きな効果がある。残虐であるという理由で,1899年のハーグ平和会議で使用が禁じられた。

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