日本大百科全書(ニッポニカ) 「テキサス大学」の意味・わかりやすい解説
テキサス大学
てきさすだいがく
University of Texas
アメリカ合衆国テキサス州内の州立大学9校と六つの医学関連教育施設やセンター等からなる州立大学システム。本部は、同システムの代表校かつ最大規模校でもあり、州都オースティンに位置するオースティン校University of Texas(UT) at Austinにある。学士課程、大学院、専門職大学院の学生合わせて19万0903人、教員1万7158人(2006年現在)を擁(よう)する、全米でも有数の大規模大学システムである。
州立大学システムの創設がテキサス州憲法のなかに明記されたのは1876年であり、この年がテキサス大学システム創設年とされている。その後1881年に、オースティン校、ならびにガルベストンの医学施設の設置が決定されたが、実質的に同大学システムにおいて教育が始まったのは、もっとも古くに設立されたオースティン校における授業開始年の1883年である。オースティン校の次に設置されたガルベストンの医学教育施設UT Medical Branch at Galvestonの創設は1891年である。その後、エルパソ校(1913年創設)UT El Pasoが1919年にテキサス大学システムに加わり、1941年にM.D.アンダーソン癌センターUT M.D. Anderson Cancer Centerが加わった。以降も、続々と大学施設が追加され、1991年のブラウンズビル校UT Brownsville追加により、合わせて15の大学と施設からなる現体制ができた。
[飯吉弘子]
オースティン校
1883年創設の公立大学。全米有数の大規模研究大学である。州都に位置するキャンパスは350エーカー(約142ヘクタール)の広さを誇る。2006年現在、16の学部と大学院に合計4万9697人の学生、3164人の教員と1万0617人のスタッフを抱える。なお、2006年時には全米で第5番目の学生規模、1997~2004年時には全米第1位であった。
学士課程の学生数は3万7037人、そのうちの91.9%がテキサス州内からの入学生(2006年現在)である。170以上の専門分野を提供している。また、法科大学院を除く修士および博士課程学生は1万1353名(2006年現在)で、年間3647の学位(2005年度)を出しており、全米最大規模の大学院の一つとなっている。大学院レベル(法科大学院を除く)では、州外からの入学率は28.3%であり、その他に留学生が26.6%を占める。法科大学院の2006年現在の学生総数は1307名(うち75.9%が州内入学者)、2005年度に出された学位数は502である。
学士課程教育分野では、会計学、建築学、植物学、生物学、経営学、外国語、歴史学が評価が高く、工学やコンピュータ・サイエンスも優秀である。大学院分野でも、会計学、教育学工学、法学、情報学その他多数の分野で高い評価を得ている。また「プランⅡ(PlanⅡ)」とよばれる優秀学生対象の教育プログラムhonors programが有名である。
[飯吉弘子]