エル・パソ(読み)えるぱそ(英語表記)El Paso

翻訳|El Paso

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エル・パソ」の意味・わかりやすい解説

エル・パソ
えるぱそ
El Paso

アメリカ合衆国、テキサス州西端の都市。人口56万3662(2000)。メキシコとの国境となっているリオ・グランデ川に臨み、対岸はメキシコのフアレス市。牧牛、野菜栽培、綿花生産地域の中にあり、商業、工業、鉱業の中心地である。石油精製、銅の精錬、食料品、衣類、機械類などの工業が立地する。市街地の標高は約1150メートル、年降水量は224.7ミリメートル(1961~90)であり、気候は温暖で乾燥している。メキシコとの国境沿いでは最大の都市で、合衆国とメキシコの両方の雰囲気をもっている。

 1827年に集落が建設され、合衆国とメキシコの国境が確定したのち、集落が拡大し、1881年の鉄道開通以後、商業、交通の中心地として発展した。テキサス大学エル・パソ校があり、付近には大規模な軍事基地フォート・ブリスがある。近くのフランクリン山の山腹沿いにある道路から市街が一望できる。

[菅野峰明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エル・パソ」の意味・わかりやすい解説

エルパソ
El Paso

アメリカ合衆国,テキサス州西端の都市。リオグランデ川の北岸にのぞむ国境の町で,対岸はメキシコ領シウダードフアレスである。リオグランデ川はこの付近で渡河しやすくなるので,早くから軍事上,交通上の要衝として注目された。現在の位置に集落ができたのは 1827年。地名は峠を意味するスペイン語。 48年メキシコ領から合衆国領になった。現在でもスペイン語を話す人が多く,高層ビルが並ぶ中心街に対し,旧市街はメキシコ風である。 81年鉄道の開通以後発展して,現在は大牧場地帯,綿花の灌漑農業地帯,銅や鉛の鉱山地帯を後背地とする商業,金融の中心地。銅精錬,製油をはじめとする各種工業も立地。対メキシコ貿易の要地。大陸横断道路やパンアメリカン・ハイウェーが交差し,空陸交通の重要拠点。テキサス大学エルパソ校などがある。人口 64万9121(2010)。

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