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会計学 かいけいがくaccounting

翻訳|accounting

5件 の用語解説(会計学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

会計学
かいけいがく
accounting

広く経済学の一分野として,会計という形式を通じて社会の動態的経済秩序を研究する科学。会計学は会計の形式で国民所得計算を研究する社会会計論と企業会計に分れる。企業会計はさらに企業の期間的損益計算を研究する財務会計論経営管理のための会計を研究する管理会計論に分れる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版の解説

かいけいがく【会計学 accounting】

企業会計を研究の対象とする学問分野。企業会計は,企業経営者や企業をめぐる利害関係者の経済的意思決定のために必要な情報を識別し,企業の営む経済活動や諸事象を貨幣単位を用い,固有の方法に従って,記録,分類,計算してその結果を総括し,会計情報としてその利用者に伝達して利用せしめる企業の測定・伝達システムである。ここに企業経営者や利害関係者の経済的意思決定とは,経営者については,企業の戦略的意思決定,経営業績の評価など企業の合理的な経営活動の遂行に必要な各種の決定を意味し,利害関係者については,株主や債権者の,経営者の意思決定に対する評価,投資や融資にかかわる価値判断などをいう。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

かいけいがく【会計学】

企業などの会計に関する学問。簿記技術、固定資産・流動資産の評価並びに経営分析、原価計算、予算統制などを研究の対象とする。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

会計学
かいけいがく
accounting英語
Bilanzlehreドイツ語

会計学の研究対象である会計とは、ある特定の主体もしくは組織の活動を主として貨幣額を用いて計数的に把握して、その結果を適切な報告書にまとめ関係者に知らしめる行為である。会計学は、そのような行為における測定や報告の方法、さらにはそのような仕組みの与える影響あるいは効果などを研究する学問領域のことをいう。
 会計を体系的に実践する意義は、多くの場合、会計を基盤とする制度によって重要な利害をもたらす経済主体すなわち営利的な企業を対象とすることにある。したがって、一般的にいえば、会計学は、企業会計、とくにその経済活動の実績を制度的に公表する手段である財務諸表の作成方法や開示制度を研究する領域をいうことが多い。
 ただし広義にいえば、会計学は、営利企業ばかりでなく、国家、地方自治体、独立行政法人、社会福祉法人、学校法人などの非営利組織とよばれる主体を対象とするものも含まれる。とくに1990年代後半以降は、非営利組織における企業会計原理の導入効果が重視されるようになって、これらの領域における研究が具体的に進展している。また、社会(あるいはコミュニティ)や環境保全への貢献などの行為を会計的に表現し開示しようとする試みも具体化しており、こういった領域の研究も会計学の範囲として認識されつつある。[東海幹夫]

会計学の成立

会計が学問として成立したのは20世紀に入ってからのことといわれているが、その生成は会計帳簿の記録技術すなわち簿記の生成・発展と密接な関係をもっている。とくに今日一般的な技術として普及した複式簿記の誕生は、利潤計算原理を追及する学問として発展してきた会計学に強い影響を与えた。その意味で、多くの研究者は会計学の起点を1494年に出版されたルカ・パチオーリの著書『ズンマ』Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalita(『算数、幾何、比および比例全書』)に置いている。初期の簿記会計の発展に影響を与えた経済環境は、13世紀から15世紀にかけて発展したイタリア諸都市の商業形態である。当時のベンチャー貿易やコンメンダ契約方式は、複式簿記や会計責任の概念を生み出したが、利潤計算原理は口別(1回限り)計算を基本とするものであった。その後、ヨーロッパ経済はイタリアからオランダ、フランス、イギリスへと移っていくが、これとともに定住的で継続的な市場を形成するようになり、現代会計に通ずるゴーイング・コンサーン(継続企業)や期間損益計算の考え方を導入するようになった。
 さらに、現代会計学の成立に重要な影響を与えたのは、株式会社制度の確立や産業革命による大量生産原理の展開である。このような現象が、会計に本格的な会計報告制度や利害調整機能を浸透させることとなった。このように学問としての会計は、法規制の強化、いろいろな会計研究機関の創設、諸種の会計関連報告書の公表などとともに、20世紀になり急速に進展して今日に至っている。[東海幹夫]

会計ビッグバンと制度の転換

日本の経済は、1990年代初頭のバブル経済崩壊以降、高度成長型から低位もしくは安定成長型へと大きく変転をした。このような経済環境の激変は、会計制度のあり方さらには会計理論の基盤に重要な影響を与えることとなった。1996年(平成8)以降の金融制度改革を金融ビッグバンとよぶことが多いが、その制度改革の中枢には会計基準の改正が大きな役割を果たしていた。このことを会計ビッグバンと称している。
 それまでの伝統的な会計は、取得原価主義や実現主義といった理論を柱にして、どちらかといえば企業の収益性を測る仕組みを重視した会計制度を維持してきた。しかしながら、バブル崩壊による経済復興のための基本的な手法は、企業の抱える不良性資産や将来発生債務を厳格に捕捉(ほそく)して開示することに変化することとなった。この動向は、国際的な会計基準の求めるものと一致していることから、会計のグローバル・スタンダード化ともよばれた。具体的には、1999年における連結会計、キャッシュ・フロー会計の導入に始まって、金融商品の時価評価会計、退職給付会計、減損会計などと、従来の会計理論を一変させる会計基準の導入に踏み切った。2006年に施行された会社法も、これらの会計基準を一般に公正妥当な会計慣行と認知して、それに準拠すべきことを規定することとなった。このことにより、会計学の研究対象は、証券市場における会計基準の研究を軸にして転回されることとなった。[東海幹夫]

現代会計学の役割と体系

伝統的な会計学は、資本主(株主等)と債権者との間の関係、さらには徴税機関、従業員、取引先、関係地域などの、いわゆる利害関係者(ステイクホルダーともいう)間の諸利害を、一つの会計制度を運用することによって調整する役割を重視してきた。現代においても、利益の分配と資産の保全とは、適切な会計の実行によって調和的に図られるものと考えている。
 ただし、前述のような会計制度の大きな改革によって、会計制度の役割は、企業の現実的な実態を的確に把握して開示するという質および量ともに程度の高い会計情報の意義に相当の重きを移しつつあるといえる。そのような役割を現実のものとするためには、伝統的には回避されてきた予測に基づく数値の導入も積極的に取り込むこととなった。退職給付や固定資産の減損などに顕著に適用されている。会計学の対象は、確実性ある客観的な数値の測定から推定計算を含む評価数値を取り込む方向へと広がっている。
 なお、組織における会計情報のあり方を研究する現代の会計学は、一般的には、法規範(金融商品取引法や会社法など)によって規制的に実施され、会計情報の外部への開示をどのようになすべきかを研究する財務会計と、企業内部の経営者や管理者の企業内部的な業績評価・管理や経営意思決定のために適時に目的適合的に作成される会計情報の研究をする管理会計とに区分され論じられることが多い。[東海幹夫]
『飯野利夫著『財務会計論』3訂版(2000・同文舘出版) ▽中村忠著『新稿 現代会計学』9訂版(2005・白桃書房) ▽桜井久勝著『財務会計講義』第9版(2008・中央経済社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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